帚木(11・12) 式部丞の体験談 左馬頭の総括

「雨夜の品定め」の括りの部分です。
p116 – 125

11.式部丞の体験談 - 博士の娘
 〈p91 頭の中将が藤式部の丞に向かって、〉

 ①ここまで黙っていた式部丞が急かされて発言する。嘘とも真ともつかない怪しげな話。
 ②後でも色々と語られる貴族と学問、女性と学問のことが述べられる。
  学問も諸芸の一つ、貴族にはそんなもの必要でなかったしましてや女性にはむしろ邪魔であったと言う時代風潮と、それに反発する紫式部。 

 ③この博士の娘は実際に登場する人物ではないが、相当に面白い(変わっている)。紫式部はどういうは感情を持ってこの女性を描いたのであろうか。

 ④最後の件、「ウソだろう、そんな女いるものか、もっと真面目な話をしろよ!」ってけしかけられるところ、面白い。

12.左馬頭、女性論のまとめをする
 〈p96 左馬の頭がまたその後を引きとり、〉

 ①女らしさとは何ぞや。女に学問は必要か。
 ②歌を詠むにしてもTPOが肝心
  
 別に総括と言うほどのものでもない。男から見た勝手な言い分じゃなかろうか。

 ここで「雨夜の品定め」が終わる。大事なのは最後の一節で、源氏は公達どもの話を聞き流しながら、想っているのは藤壷のこと、「キミたちの言うのは分かるけど、オレのあの人は、、、」という感じだろうか。

   →「光る源氏の物語」によると、源氏と藤壷のコトがあったのはこの雨夜の品定めの前夜あたり。宮中は物忌みで動けない。帝も藤壷を呼べない、このチャンスをものにした源氏。でもそれは物忌みに対するタブーを破ったとんでもないことだった、、、、ということらしい。

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2 Responses to 帚木(11・12) 式部丞の体験談 左馬頭の総括

  1. 青玉 のコメント:

    博士の娘、ユニークで滑稽ですね。
    男たちのからかいの的になってる気もしますがまさか紫式部が自身と重ね合わせたわけでもないでしょうね。

    この時源氏は心ここにあらずで藤壺の元にあったのでしょうか?
    いよいよ源氏の女性遍歴のはじまりを窺わせます。

    • 清々爺 のコメント:

      博士の娘、物語とは関係ないけど「こんな女性いかが」ってテーマで議論すれば結構面白いのかも。式部丞も寝間での会話には閉口しつつちゃっかり役に立つと評価しているところなんか傑作ですよね。何事も表と裏があると言う典型でしょうか。

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