p78 – 110
左馬頭と式部丞、二人ともここだけに出てくる人物。源氏・頭中の取り巻きで女性関係でも先輩格。この二人が(特に左馬頭)面白おかしく経験談を語るというところです。ポイントだけおさえて後は左ページの現代語訳をなぞって読み進めればいいと思います。
4.左馬頭の弁-中流の女のおもしろさ
〈p64 左馬の頭は、「もともとの家柄と、〉
①「葎の門」さびれた屋敷に素晴らしき女性が住む=深窓の令嬢、古今の物語の一つのパターン
②「白き御衣どものなよよかなるに、、、、女にて見たてまつらまほし」
この源氏のくつろいだ様子、女にしたいほどの美形。
5.左馬頭の弁-理想の妻は少ないこと
〈p66 さまざまな人々のことなどを話題にしながら、〉
6.左馬頭、夫婦間の寛容と知性を説く
〈p66 「こうなればもう、家柄とか、〉7.芸能のたとえごと
7.左馬頭の弁-芸能のたとえごと
〈p73 左馬の頭はひとりはりきって、弁論博士になり、〉
8.左馬頭の体験談-指喰いの女
〈p75 「ずいぶん昔の話ですが、〉
9.左馬頭の体験談-浮気な女
〈p82 「実は、同じその頃、もう一人、〉
あれやこれやの議論。なるほどと思うもあり、そうかなと思うもあり。
今回、改めてこの部分読みましたが辛かったです。頭に入らないし。
このあれやこれや談義は枕草子の叙述とそっくりだなと思いました。枕草子もものづくし以外の部分は場面が断片的で総じて味気なく面白いとは感じないのですが、、。いかがお思いでしょうか。
「白き御衣どものなよよかなるに]
源氏の美形はどのような男性を想像したらよいかな・・・といろいろ考えビジュアル系?ちょっと違う感じもしますし。
近頃芸能界に出没する女装の男性、宝塚トップのイメージ?
どれもこれも当てはまらないですね。
この女性論、考えてみれば(考えなくても当然)すべて紫式部が男性に言わしめている言葉。
単純な私、時々夢中になるとつい実在の人物のように混同、錯覚が起きがちです。
彰子に仕えながら宮廷内の動き、男女の心理を巧みにとらえていて改めて紫式部の人間観察の鋭さを感じます。
枕草子は勉強不足で春夏秋冬の冒頭部分しか覚えていないので比較はできないのですが共にこの時代を代表する才女から見れば男の幼稚さをちょっと小馬鹿にしていたかも知れませんね。
紫式部、この時何歳ぐらいでしょうか?
ありがとうございます。
1.源氏の美形ですか、この時代どんな男が理想とされたのかよく分かりません。まあ私としては数学と音楽が得意な体育会系で機智に富んだスタミナ抜群の男と思いたいのですが、、、。2年後読み終える時点で「源氏物語配役リスト」を作ろうと思っています。その時までに考えておいてください(青春時代と晩年はイメージが違うので難しいですが)。
2.そう言えば雨夜の品定めで女性論議はあるのに男性論議はありませんね。紫の上の女房サロンででも女性3人による男性論を展開させたら面白かったでしょうにね。
3.紫式部が源氏物語を書いたのは30~40才、何れにせよ男女のことも社会のことも知り尽くした上でのことで、若い男のことなど相当上から目線で書いたのじゃないでしょうか。
QTE4.中流女のおもしろさ
①「葎の門」さびれた屋敷に素晴らしき女性が住む=深窓の令嬢、古今の物語の一つのパターン ②「白き御衣どものなよよかなるに、、、、女にて見たてまつらまほし」
この源氏のくつろいだ様子、女にしたいほどの美形。UNQTE
⇒ 「中流女のおもしろさ」と言うタイトルが唐突過ぎ、且つ、「雨夜の品定め」の
本質である(男の)上からの目線の陰湿さとはかけ離れた見出しですが、
どのように解釈すれば?
質問ありがとうございます。
私の考えるところです。
源氏物語の本筋「紫のゆかり」では最上流階級の女性しか登場せず、そうした上流階級の女性は理想ともいえる素晴らしい女性(藤壷&紫の上)もいるがプライドが高く窮屈な女性が多い(六条御息所・葵の上)。何れにせよ付き合うには気を使う人たちである。それに比べて中の品の女性たちは気楽に付き合えるし、女性の方からも尽くしてくれる→男にとって「中流女はおもしろい」、、、と言う勝手な議論じゃないでしょうか。
清少納言の方が年上だし、先に有名になったから、紫式部は「枕草子」を読んでいたでしょう。私は紫式部も清少納言も好きです。「源氏」には「源氏」の面白さ、「枕草子」には「枕草子」の面白さがあります。紫式部のものごとをじっくり考える内省的なところも、清少納言の打てば響く才気、五感の鋭さもいいなあと思います。観察力、洞察力の鋭さは両者ともにあたことでしょう。
紫式部には、まだ年若な中宮彰子を教え導くような役目があり、それも「源氏」に反映されているし、清少納言は中宮定子への憧れ、敬愛が強く、定子賛美のところが多い。
「源氏」では語られない「枕草子」の面白いところを少しあげると、
宮中での女房たちの自然児?ぶり、郊外への外出好き、お転婆さんもいる、など読んでいてホッとしますよ。
それから、藤原行成や藤原公任とのおしゃべり、和歌の贈答、元夫だった橘則光とのやりとりなんか、「我褒め」とも言われていますが、面白いですよ。
時間があったら、「枕草子」も読んでくださいね。
枕草子に関する詳しい解説ありがとうございます。
清少納言と紫式部の比較、枕草子と源氏物語の役割の比較そういうことなんですね。昇り竜の道長-彰子に仕えた紫式部、落ち目の中関白系定子に仕えた清少納言、立ち位置も大分違いますもんね。
枕草子をチャンと読むには全部分解して時代順・場面ごとに並び替え登場人物を整理してかからないとさっぱり分かりませんよね。その辺キチンと整理した解説書(道しるべ)でもあるといいのですけどね。。
(私が一番興味あるのは清少納言と藤原道長との関係なのですが)
キチンと整理した解説書を探す気力はありませんが、自分なりに整理することは可能です。
①「もの」は付けなどは、まとめて最初に置く
②人物が登場」するところは、皇室関係、叙任異動、社会の出来事などから年表を使って枕草子の段を年代順に並べ替える。
そうすれば、それなりにわかり易くなりますが、月日はわかっても年号が不明とか、いらした場所は特定できても何度もそこに居住したとかで、いつの時なのかが確かでない、とか不確かな結果となり、お遊び、楽しみの範囲どまりでしょう。それに清少納言の本来の思いからずれてしまう恐れもあります。 でも面白そうだから少しずつやってみようかな。
清少納言と道長の関係ですが、(中宮が)「例の思い人」と笑わせたまひし、とあり、清少納言が道長に好意を寄せていたともとれるが、これがのちに同僚の女房に道長派だとの誤解や嫉妬を抱かせることにもなったようです。「宮の辺にはただあなたがた(道長方)にいひなしてそら言なども出で来べし」とあります。
ありがとうございます。さすがに枕草子通の式部さん、よくわかりました。歴史年表をおいて読むのが一番なのでしょうね。でも難しいのは清少納言の筆使いが必ずしも素直ではないところにあるのかもしれませんね。
道長とのことは大方の想像通りなんでしょうね。