p48 – 54
13.先帝の四の宮(藤壺)入内する
〈p41 歳月が過ぎてゆくにつれ、〉
藤壺登場!G10年ころであろうか。藤壺+5、即ち15才
①藤壺の出自(先帝の皇女=すごい身分)
桐壷更衣の身代わり、紫のゆかり
②藤壺登場までは桐壷帝は「年月にそへて、御息所の御事を思し忘るるをりなし」であったが、藤壺が来てからはすっかり忘れてしまう。いかにも現金だなあと思います。
③藤壺の母(先帝の后)の情勢分析は鋭い、「弘徽殿女御のいるところなど行けば桐壷更衣みたいにいじめ殺されてしまうわ」
ところがよくしたものでこの母后はあえなく亡くなってしまう。
14.源氏、亡母に似ている藤壺の宮を慕う
〈p44 源氏の君は、帝のお側を離れたことがありませんので、〉
①「源氏の君は」ここから源氏の君となっている(臣籍降下した)。
②源氏が藤壺に憧れ、恋慕の情を持つに至る有り様が語られる。
「なづさひ見たてまつらばや」
なづさひ→肉体的接触を伴う表現とどこかに書かれていた
「はかなき花紅葉につけても心ざしを見えたてまつる」
15才と10才。源氏は燃え上がったのだろうが藤壺はどう思ってたのだろうか。
源氏が燃え上がったのは藤壺が亡き母に似ていたから、、、それもあろうがやはりきれいであったのであろう。藤壺の性格については何ら触れられていない。
③しばらくは心安らかだった弘徽殿女御、また怒り立つ。
④「光る君」と「かかやく日の宮」 有名なる呼称
この「光る君」の呼称は高麗人がつけたとp62に出てくる
いよいよ藤壺の登場ですね。
それにしても比翼の鳥、連理の枝とまでお約束なされ、政務も怠り食事も喉を通らないほどに悲嘆にくれておられた帝のなんと心変わりでしょう。
ここは女性の立場として許しがたいですね。
でも理解できるような気もしないわけではありません。
恋しい人に似た女性、ましてや美女、心動かされるのは男性の生理からすれば当然のこと、世の男たちの常ですわね。
源氏の君が憧れから恋い慕い禁断の愛に至る予感がそこかしこに・・・
歳の差から言っても帝のお歳?よりもお似合いに感じられますもの。
今後の成り行き、ハラハラドキドキです。
弘徽殿女御、ますますエスカレートしそうですね。
藤壺の母上もさぞやご心配だったでしょう。
「光る君」と「かかやく日の宮」最高のほめ言葉ですね。
ありがとうございます。
1.先帝と桐壷帝の関係が不明なので、桐壷帝と藤壷との関係も不明ながら相当近い姻戚関係にあったはずで、いきなりの登場はやや唐突の感じがします。
2.兵部卿の親王(紫の上の父)が藤壷の後見人の一人として登場します。この人もこれから色々登場し複雑な動きをみせるのですが、紫の上をないがしろにしている感じがして私には悪者です。
3.藤壷の母上の死いかにも唐突ですが、紫の上のお祖母さんも簡単に死んでしまい物語が展開するといった調子で仕方ないのでしょうね。
4.脚注にある通り、藤原彰子が一条帝に入内して(999年)世人から「かかやく藤壷」と称された。→源氏物語の藤壷が書かれたのが先か、彰子の入内が先か、面白いところです。何れにせよ「不吉なる桐壷」に対し「光かがやく藤壷」のイメージだったのでしょうね。