p130-146
15.帝の不満に中将ら母を責める 大君懐妊
〈p56 帝は、亡き髭黒の太政大臣が、〉
①今上帝は不満、玉鬘の長男左近中将に疑問を呈す。
御気色よろしからず。
→「天気宜しからず」、天皇のご機嫌は絶対である。
②左近中将&右中弁、二人の息子から責められる玉鬘。
→源氏も頭中もそして夫髭黒も居ない。玉鬘には相談相手がいない。
③K15年7月 大君懐妊 4月に冷泉院に参り7月懐妊
→冷泉院は44才。やるもんですな。
16.薫・蔵人少将男踏歌に加わり、院に参上
〈p59 その年が改まって、宮中では男踏歌が行われました。〉
①明けてK16年正月十四日 男踏歌
→「男踏歌」で検索するとG36年「初音」とG38年「真木柱」に出てきている。
②冷泉院での男踏歌
薫 流れてのたのめむなしき竹河に世はうきものと思ひ知りにき 代表歌
筝の琴 御息所(大君)
琵琶 侍従(薫)
和琴 冷泉院
冷泉院は六条院での男踏歌・女楽(@初音)を思い出してご満悦
17.大君、女宮を出産 中の君尚侍となる
〈p65 四月には御息所に女宮がお生れになりました。〉
①G16年4月 御息所(大君)に女宮誕生
冷泉院には女一の宮(弘徽殿女御腹)に次いで二人目
(女一の宮、いつ生まれたのか不詳、「匂兵部卿4.」に初出)
②冷泉帝は生まれた女宮を寵愛。後宮に波風が立つ。
③大君にご執心だった今上帝に中の君を尚侍として参内させる。
玉鬘はずっと尚侍の職位を保っていた。これを中の君に譲るということ。
④熱狂的に大君に恋焦がれていた蔵人少将は空振りに終わる。父である夕霧(&雲居雁)にも不義理したことになり、玉鬘は心苦しい。
⑤冷泉院は玉鬘が孫の顔を見に来ないことに不満。御息所も何故母は来てくれないのかと恨む。
→冷泉院に行けば未だにご執心の冷泉院。危険である。
→ちょっと不自然な妖しい話であります。
大君に執心だった今上帝はご機嫌斜め、さもありなん。
ええっと今上帝にとって冷泉院はどういう関係だったかな?
父が朱雀院、ということは叔父ですね。
実質的には従兄弟?
初音での華やかな女楽は印象に残る場面でしたね。
冷泉院44才で第二子が授かっているのですか。
臣下同様の暮らしの中でストレスもなく気楽な身分なのでしょうね。
未だに玉蔓に未練を残す冷泉院も不自然ですし先の「紅梅」で薫24才とあったのがここで15~16歳というのも引っ掛かります。
薫、年齢の割には冷静、落ち着いてるのが印象に残ります。
心の内を秘めるタイプなのでしょうか?
ありがとうございます。
冷泉院と今上帝の関係はおっしゃる通り上辺は叔父と甥、実のところは従兄弟どうしです。冷泉院44才、今上帝38才です。こんな年令の後宮に妙齢の娘を上げるなんて(苦労するのは見えてるし)生贄みたいなもんじゃないですか。可哀そうに。源氏は40才で女三の宮を娶ってますが、これは朱雀院から押し付けられたもので、冷泉院や今上帝みたいに好色がましく自ら要求するのとは訳が違うと思います。時代の品格みたいなものが落ちている感じがします。
薫の年令など前後してますが薫がどんな風に成長してるのか、人格形成の過程を考える上では意義あると思います。さすが主人公、おっしゃる通り冷静で落ち着いていると思います。