p102-114
9.桜の下、少将、姫君たちの囲碁を隙見する
〈p30 三月になって、咲く桜があれば、〉
①K15年3月 桜の盛りの頃 玉鬘邸 大君と中の君が碁を打っている。
姫君たちのあでやかな服装&容貌の描写
→やはり大君の方が何かと勝っている。
②三人の兄たちが面白がって見物。三男藤侍従が審判役をおおせつかっている。
見事な桜の木があり、昔から誰のものにするか家族の間で楽しい会話があった。
③玉鬘は大君を冷泉院にと考えているが息子たちは盛りを過ぎた冷泉院より東宮がいいでしょうとの意見
→玉鬘には冷泉院に負い目がある。普通なら息子たちの方が道理であろう。
④兄たちが去って姫君は桜を賭けて三番勝負をする。
大君を狙っている蔵人少将が来合せて御簾ごしに中庭を隔てて二人を覗き見る。
この場面国宝源氏物語絵巻 竹河(二)
→碁打ち覗き見は空蝉2.p166が有名
(空蝉と軒端荻が碁を打ってるところを源氏が覗き見する)
⑤勝負は右方中の君の勝ち
大君、中の君&女房たちが歌を詠み合う
→春の日ののどやかな一幕
→脚注「左右に分かれた集団の歌のかけ合いは、古代の歌垣に発する趣向であろう」
10.大君の参院決定、蔵人少将なおあきらめず
〈p39 そうこうしているうちにも、〉
①大君をめぐり冷泉院と蔵人少将は玉鬘に攻勢をかける。
冷泉院は弘徽殿女御(玉鬘の異母妹)を通して
蔵人少将は母雲居雁(玉鬘の異母妹)を通して
→やはりコネが大切。
→弘徽殿女御の言葉は本心ではないだろう(脚注参照)。
②玉鬘は弘徽殿女御からの勧めもあり(本心ではないにせよ)大君を冷泉院に入れる決意をする。そして蔵人少将には中の君をと考える。
→大君や中の君の心には全く触れられていない。そんなものであろう。
桜の頃、姉妹が碁を打つ場面で思い出すのはやはり空蝉と軒端荻ですね。
軒端荻のなまめかしい姿態から想像して時期的にはもう少しあとだったような・・・
姉妹を巡るそれぞれの思惑・・・
それにしても信じられないのは昔の不義理を娘を嫁がせることで借りを返す。
玉蔓の心情、理解しがたいですね。娘の幸せが第一ではないのかしら?
この時代、当然のことですが現代の結婚観から比較すると天と地の差がありますね。
比較すること自体がどだい無理というものでしょうね。
冷泉院、東宮、蔵人の少将さて玉蔓の選択は?
もしも髭黒が存命だったとしたら?
ここにきて私のコメントも中だるみ感ありですね。
玉蔓は大君を冷泉院に託したのですね。
果たしてその結果は正しかったのかどうか?気になるところですね・・・
何をおっしゃいますか、中だるみしてるのは源氏物語の方ですから。心配ご無用です。
それにしても冷泉院って益々お盛んですねぇ。源氏が亡くなって逆に元気が出たのではと勘繰りたくなるくらいです。
ありがとうございます。
1.空蝉・軒端荻の碁打ちを覗く場面は梅雨明け酷暑の夕暮時でしたね。軒端荻が胸を露わにして、、、ですから。
源氏物語で囲碁の場面はこの二つと後宇治十帖でも2回出てきますが女性が打ってるのが多い。囲碁ってそんなに簡単な遊戯ではないと思うのですが上流貴族女性にとっては教養の一つだったのかもしれません。
本段では桜を賭け物にして美人姉妹が囲碁の勝負に興じる、絵巻物にはもってこいの場面だと思います。
2.二人の姫たちを誰に嫁がされるか、この選択を任されては玉鬘も辛いところでしょうね。やはり一家の大黒柱髭黒太政大臣に取り仕切って欲しかったと思ったでしょう。姫たちに選択権がないといっても姫たちは誰に嫁ぐのがいいのか判断しようもないわけだし、、、。おっしゃる通り現代の結婚観からは考えられない世界で私たちとしてもアドバイスのしようがないですねぇ(何もアドバイスしてくれと求められてる訳ではありませんが)。