p48 – 56
8.源氏、朱雀院の内意を伝えられ辞退する
〈p32 源氏の君は、女三の宮の結婚の件で、〉
①朱雀院の内意を聞いての源氏の反応
自分も老い先は短い、出家の妨げにもなる。
→ごく真っ当な考え。
夕霧ならいいのだろうが、正妻がいて朱雀院も遠慮するだろう。
→妻を複数持つのが当たり前の当時夕霧の身の処し方真面目さは異常にも思える。
②源氏 ただ内裏にこそ奉りたまはめ
冷泉帝に入内させてはどうか、、、
→冷泉帝には秋好中宮がおり弘徽殿女御がいる。源氏は本気でそう思ったのだろうか?
→女三の宮は藤壷入道の姪、紫のゆかり。源氏はそれを思いぐっと心が動いたのであろう。
9.女三の宮の裳着の儀終わり、朱雀院出家する
〈p34 その年もおしつまりました。〉
①G39年暮れ 朱雀院は女三の宮の裳着の儀を急ぎ行う(@朱雀院邸)。
腰結役は太政大臣(頭中)、玉鬘の時もそうであった。
→朱雀院の儀式としてはこれが最後、誠に華やかに行う。
②秋好中宮から
御装束、櫛の箱心ことに調ぜさせたまひて、かの昔の御髪上の具、ゆゑあるさまに改め加へて、さすがにもとの心ばへも失はず、
中宮 さしながら昔を今につたふれば玉の小櫛ぞ神さびにける
朱雀院 さしつぎに見るものにもが万代をつげの小櫛の神さびるまで
朱雀院は秋好中宮を愛しいと思っていた。朱雀院の意向を無視して源氏と藤壷入道が冷泉帝に入内させた(絵合)。
その時の朱雀院の悔しげな歌
わかれ路に添へし小櫛をかごとにてはるけき仲と神やいさめし
③女三の宮の裳着の儀を終えて朱雀院は出家する。
→出家のタイミング、何故この時なんだろう。まだ女三の宮の身の振り方も決まっていないのに。
→自分でテキパキと決めていける人ではなかった。ここで出家するのも気弱のなせる業か。
源氏、一旦はお断りになったものの内心ひそかに心を動かされているように見受けられます。
御裳着の際の中宮からの「かの昔の御髪上の具」で思い出しました。
昔、朱雀院は中宮に心をお寄せになっていたのでしたね。
お二方の和歌の贈答に昔が偲ばれてとても感慨深いお歌です。
そして院の出家。
様々に揺れる心の内を抱きながら朱雀院の思いにはまだまだ未練、心残りが感じられます。
ありがとうございます。
もしまだ弘徽殿大后が生きていて元気だったら女三の宮を源氏のところにやるなんてさせなかったのかもしれませんね。それはそうとして朱雀院って気の毒な人ですね。やはり(源氏のせいで)朧月夜を正式な妃として迎え入れることができなかったのが大きかったのじゃないでしょうか。「朧月夜が妃で入り皇子が生まれ朧月夜は中宮となり皇子が東宮になる、、、、」弘徽殿大后はそんな未来図を描いていたのかもしれません。源氏ってホント罪作りな男であります。
→時間つぶしの想像です。