p28 – 37
4.女三の宮の乳母、源氏を後見にと進言する
〈p19 朱雀院は、姫宮がたいそう可愛らしくて、〉
①朱雀院の言葉
見はやしたてまつり、かつはまた片生ひならんことをば見隠し教へきこえつべからむ人のうしろやすからむに、預けきこえばや
→女三の宮の至らなさ、それを心配する朱雀院の思いが凝縮されている。
②朱雀院と乳母たち(有識者として)の会話
朱雀院:夕霧がよかったのに、、、
乳母:夕霧は雲居雁と納まってしますよ、やはり源氏でしょう。
→そうだろうけど余計なこと言うもんです。
③朱雀院
我、女ならば、同じはらからなりとも、かならず睦び寄りなまし
→朱雀院は何度もこのように言っている。
→兄妹・姉弟間はさほどタブー視されなかったのだろうか。やはりタブーでしょうねぇ。
④源氏の女性関係を考えると朱雀院の心には必ず朧月夜(尚侍の君)のことが甦る。
→朧月夜を巡る源氏と朱雀院との三角関係は極めて王朝的だと思います。
5.乳母、兄左中弁に源氏への仲介を打診する
〈p22 この女三の宮の御後見たちの中でも、〉
①乳母の兄左中弁が登場。
→話を進展させるためこういう仲介者が登場すること多い。
②乳母 皇女たちは、独りおはしますこそは例のことなれど、
→内親王は独身でいることが多かった(付録p224)このこと頭に入れておくこと重要。
→でも後見のしっかりしてない内親王が独身を通すのも心細い。
③弁の言葉 源氏と女君の様子&源氏の心情を見事に読者に伝えている。
→順当・公平な考え方であろう。
→源氏の妻たちに内親王はいない、、、。この点が重要。
④弁との話を踏まえて乳母が朱雀院に言葉巧みに源氏に的を絞るようそそのかす。
姫宮は、あさましくおぼつかなく心もとなくのみ見えさせたまふに、
→如何に乳母とは言えちょっと露骨ではあるまいか。朱雀院に失礼でしょうに。
生来気が弱く優柔不断な朱雀院、悩みはつきません。
女三の宮、至る所に「方生ひ」なる言葉がありますがよほど心配な存在だったようですね。
昔から馬鹿な子ほど可愛いと親心を指すじゃありませんか。
具体的な様子が描かれていないのでどういう状態か詳しくは解らないのですが・・・
乳母もおせっかいこの上ないです。
やはり女房、乳母の人選は大事だと言うことがここでも確認されます。
周りの状況判断が的確に出来る人物でないとね。
それにしても朱雀院、乳母の会話から源氏のあやにくな性格をよくとらえています。
「やむごとなき御願ひ深くて」と前斎院の事を持ち出すなどして唆しているように感じます。
我、女ならば~の朱雀院のお言葉
男でさえも魅かれるのだから女ならば・・・
よくでてきますね、たとえ親兄弟であってもということなのでしょうか?
禁断の恋や三角関係の描写は結構この時代多いですね。
話はそれますが今放映中のNHKドラマ、「ガラスの家」しかり・・・
この姫宮の性格はもしかしたら朱雀院に似ているのじゃないでしょうか?
ありがとうございます。
1.乳母が余計なこと言いますが、自分が育てた皇女(女三の宮)の行末について親(朱雀院)に意見具申するのは乳母としての当然のお役目でもあった筈で、要は青玉さんおっしゃるようにこの乳母が至らなかった・浅はかだったということでしょうか。まあしっかりしていればこれほど「片生ひ」には育たなかったでしょうに。
でも源氏について言い方としてはうまいこと言うものです。
人をゆかしく思したる心は絶えずものせさせたまふなれ
その中にも、やむごとなき御願ひ深くて、、
→核心をついていると思います。
2.紫の上も末摘花も朝顔も親王の娘(天皇の孫)、これではダメで皇女でなければという源氏の皇女願望ですが、そもそも適当な対象者がいないですよね。先帝の皇女といえば藤壷世代でもういないだろうし、桐壷帝の皇女はきょうだい、朱雀帝の娘(女一の宮・二の宮・三の宮・四の宮)だけですもんね。源氏の皇女願望こそ無理があると言うものじゃないでしょうか。
→やはり藤壷との中途半端な恋が忘れられなかったのですかね。