p52 – 58
14.内大臣、腰結役をつとめる 源氏と歌の贈答
〈p152 内大臣は、はじめはそれほど乗り気ではなかったのに、〉
①2月16日裳着の儀当日。内大臣は玉鬘を見るのが楽しみで駆け参じる。
②内大臣に真相は打ち明けたものの裳着の儀は六条院で源氏の養女として豪華盛大に行われる。
③御殿油、例のかかる所よりは、すこし光見せて、をかしきほどにもてなしきこえたまへり。
→内大臣に玉鬘をよく見せようとの源氏の配慮(これも遊び心の一つか)。
④内大臣 うらめしやおきつ玉もをかづくまで磯がくれける海人の心よ 代表歌
源氏 よるべなみかかる渚にうち寄せて海人もたづねぬもくづとぞ見し
→内大臣の心内。今まで源氏が打ち明けてくれなかったことへの恨みがこもる。当然であろう。
→源氏は逆に「私がみつけてあげたのですよ」との対応。さすが役者が上、相手にならない。
15.参上の人々の胸中 源氏の今後の方針
〈p154 親王たちをはじめ、次々に、〉
①裳着の儀には関係者(玉鬘に思いを寄せる人を含め)が多数参列する。
→一種の披露宴みたいなものであったのだろうか。
②柏木、弁それぞれ真相を知り姉に思いを寄せていたのかと驚く。
③源氏は内大臣に今後のことは私が慎重に事を運ぶから任せなさいとピシャリと言う。
→さすが源氏、政治家である。内大臣は完敗、源氏に従う他ない。
④玉鬘の今後、出仕させるのかどうか。誰と結婚させるのか。
→尚侍としての出仕と結婚は矛盾しないのだろうか(結婚してても尚侍が勤まるのか)。
⑤大宮が病気療養中なので裳着の儀の後の御遊び(楽宴)はない。
玉鬘が内大臣の娘であることはもう皆に知れ渡っていたことだろう。それなのに源氏は自分の娘として(養女扱い)裳着の儀を六条院で盛大に執り行う。その後も後見者として面倒見続ける。ちょっと考えるとおかしいが源氏物語の源氏であればこそできることであろうか。