p38 – 44
9.源氏内大臣相和す 内大臣、玉鬘の件を知る
〈p140 内大臣も久しぶりの源氏の君との御対面に、〉
①源氏と内大臣、久しぶりに会見する。二人はしばらく疎遠な仲となっているが元々は朋友。顔を見て話せば昔のことが蘇りわだかまりも解けゆくのであろうか。
②源氏、内大臣がそれぞれ昔から公私にわたり協力し心を通わせて来たことを振り返る。
羽翼を並べるやうにて
③源氏、内大臣に玉鬘のことを持ち出す。
そのついでにほのめかし出でたまひてけり。
→あっさりしている。どんな風に語ったのか書いて欲しかった。
→夕顔との関係、夕顔突然死の経緯は語ったのであろうか。
④内大臣 「いとあはれに、めづらかなることにもはべるかな」
→内大臣は仰天したことだろう。一瞬何のことか分からなかったのではなかろうか。
⑤二人には19年前の雨夜の品定めのことがまざまざと蘇る。
→源氏は常夏2.p149で玉鬘に雨夜の品定めの話をしているがここで初めて内大臣(頭中)本人と昔を語り合えることとなる。
⑥大宮は源氏の立派な姿を見るにつけ15年前亡くなった葵の上のことを不憫に思う。
→大宮の心には常に葵の上のことがある。
⑦もう一つの懸案事項、夕霧・雲居雁のことはどちらからも言いださず終わってしまう。
→折角のチャンスだったのに。どちらからも言いだせなかったのであろう。
⑧これまでの源氏と内大臣(頭中)の関わりを整理しておくと、
・雨夜の品定め(常夏の女) -帚木 G17年
・末摘花を巡る恋の鞘当て -末摘花 G18年
・青海波を舞う。源典侍との情事の場面に頭中踏み込み -紅葉賀 G18・19年
・頭中、須磨に源氏を訪う -須磨 G27年
・斎宮女御vs弘徽殿女御 後宮争い -絵合 G31年
・夕霧・雲居雁仲を許さず -少女 G34年
といったところでしょうか。今後の二人の関係どうなっていくか、楽しみです。
10.内大臣、源氏と玉鬘との仲を忖度する
〈p144 内大臣は、突然の話なので、〉
①内大臣は帰って源氏の話を振り返る内にちょっと待てよ、と思う。
→久しぶりに源氏に会い酒を飲みながら昔話をしている内に突然常夏の女(夕顔)の遺児の話を聞かされた内大臣。咄嗟には何のことか分からなかったのではないか。
→よく考えると色々と腑に落ちない点が出てくる。
②内大臣 「尋ね得たまへらむはじめを思ふに、定めて心きよう見放ちたまはじ」
→源氏が手をつけてない筈はなかろう、、、内大臣が疑うのも当然である。
→源氏の妻になってもらうのがいいのか、入内させるのがいいのか、、それぞれ悩ましい。