p24 – 32
5.源氏、大宮を見舞い、懇ろに語り合う
〈p130 源氏の君は、太政大臣となられた今は、〉
①内大臣からの断りの手紙を受けて源氏はすぐに三条大宮邸に赴く。
→源氏の行動力の素晴らしいところ。
②大宮は源氏が来てくれて嬉しい。病気ながら起き上って源氏を迎える。
③源氏「異しうはおはしまさざりけるを、なにがしの朝臣の心まどはして、、、、」
大宮「年の積もりのなやみと思うたまへつつ、月ごろになりぬるを、、、、」
→源氏の年寄りに優しいところ。
→大宮も老衰を自覚しつつ源氏に会えて命が延びる思いを訴える。
この大宮のセリフは「夕顔」の巻で乳母が言うセリフに似ている(夕顔2.p194)
④大宮は夕霧が日々看病してくれることに感謝を述べる。
→同時に雲居雁とのことが未解決で死にきれない思いなのであろうか。
6.玉鬘の件を語り、内大臣への仲介を依頼
〈p132 昔や今やのお話をあれこれなさいますついでに、〉
①源氏 いかで聞こえ知らせんと思ふことのはべるを
→大宮は当然夕霧と雲居雁のことだろうと思う。
②内大臣が大宮の見舞にあまり来ないことを大宮が語る。
公事の繁きにや、私の心ざしの深からぬにや、さしっもとぶらひものしはべらず。
→紫式部らしい見事な対句
③内大臣の夕霧・雲居雁問題に対する心の葛藤の様が大宮から語られる。
→玉鬘問題と夕霧・雲居雁問題の二つが同時に進行していく感じ。
④源氏 何ごとにつけても末になれば、落ちゆくけぢめこそ安くはべめれ。いとほしう聞きたまふる。
→二人のことは親が反対してもダメ。現代の結婚も同じかもしれない。
⑤そして本題の玉鬘のことを打ち明ける。
→源氏の大宮への説明は極めて巧妙。天皇の言葉を持ち出して玉鬘の重要性を訴え内大臣と会いたい旨を訴える。
⑥大宮 いかに、いかにはべりけることにか。
→大宮も驚いたことだろう。でも何で源氏のところで面倒みてもらっているのかちょっと腑に落ちない。大宮の鋭いところ。
源氏の久しぶりの訪問に俄かに大宮も元気を取り戻されたようです。
大宮は何かと息子よりも婿のほうを頼りにしていらっしゃるようですね。
大宮にとってこの世への未練はひとえに夕霧と雲居雁のことでしょう。
しかし本題は玉蔓
源氏の巧妙な弁舌(作りごと?)に冷静な大宮、どのように受け止められたことでしょう・・・
ありがとうございます。
玉鬘のことを言われても大宮にはよく分からなかったでしょうね。「あの子は色々なところに胤をまき散らして、、、、」
でも源氏が来てくれたのを契機に夕霧・雲居雁のことも進展するだろう、、、大宮はそちらの方を期待したのだと思います。病気の大宮も力づけられたことと思います。