p150 – 156
3.源氏、玉鬘の取扱いに思い迷う
〈p57 西の対にお出かけになることも、〉
①源氏、西の対の玉鬘が気になって仕方がない。あれこれと思い悩む。
②もし妾にするにしても紫の上より上位と言う訳にはいかない。
→当たり前
他の女君と同列では幸せではないだろう。
→そりゃあそうです。
③ことなることなき納言の際の、二心なくて思はむには、劣りぬべきことぞ、
→多妻制 vs 一妻制 このテーマ今後もよく出てきます。
→女性の幸せは一人の男性に愛されること(逆もそうだが)。
→妻妾制の世の中にあってもこう考える人は多かったことでしょう。
④玉鬘に親子然として接し琴なども教える。玉鬘も警戒心が薄れ慣れ親しんでくる。
もう離したくない!六条院で婿をとってその後チャンスを見て、、、、
→現代ではあり得ない話。
→余程玉鬘は魅力的であったのであろう。
処女であり・教養高く・容貌抜群・人柄は人なつっこく・夕顔の面影を宿す
4.内大臣、源氏に反発しつつ娘に苦慮
〈p60 内大臣は、例の、今度お引き取りになられた御娘のことを、〉
①内大臣の登場 源氏が近江の君を揶揄していると聞き憤懣やるかたなし。
玉鬘のことにあれこれイチャモンをつける。
それは、かの大臣の御むすめと思ふばかりのおぼえのいといみじきぞ。人の心みなさこそある世なめれ。
→今の世でも二世タレントは何かと話題になりすぐ人気が出る。
②玉鬘だけでなく源氏のこと全般にケチをつける。
紫の上に娘が生まれないし、明石の姫君も本当の娘かどうか、、、玉鬘は実子ではあるまい。
→もう八つ当たりの感じ。
→玉鬘が実子でないことは当たってるが自分の娘とは気づかない。
「蛍」の巻末で夢占いにあったのに。この辺が源氏と違って内大臣の鈍いところ。
③でも内大臣の心内は思うに余りあり。正直で分かりやすいと思います。
4の②の「明石の姫君も本当の娘かどうか・・・」ここは解釈違ってはいませんか?
脚注四、五をそのまま読んで解釈したほうが良いと思うのですが。
「あのような世に類のない珍しい前世の因縁(幸運)で、将来は何かになるというわけ(子細)があるのであろう」と内大臣が思っているのだと理解しましたが。
源氏と玉鬘の関係は一歩間違うと、白河院とたま子の関係を彷彿させますね。
源氏の分別か、何か他の事情が待たれますよね。
ご指摘ありがとうございます。
1.確かに「明石の姫君も本当の娘かどうか」とまで言ってしまうと言い過ぎですね。おっしゃる通りです。占いや願かけが科学であった当時のこと、「普通なら生まれないのに神か仏かありゃ奇跡だし、、、」ぐらいの感じでしょうか。余り肯定的には思っていないと思うのですがいかがでしょう。
2.なるほど白河院と待賢門院璋子ですか。よく似てますね。お気に入りの娘を養女にしていつの間にか、、、、。玉鬘は璋子に比べると大分年をとってますが無垢の処女。髪を撫でたり琴を枕に添い寝したり(篝火)、、、、正しくその通りですね。源氏物語の100年後に物語を地で行くいや物語を越えたことが起るのだから世の中不思議なものですね。