p102 – 105
5.五月五日、源氏、玉鬘を訪問 美しい容姿
〈p20 五月五日には、源氏の君は、〉
①五月五日 端午の節句
菖蒲を葺く 菖蒲は男子に縁起のいい植物でこれを軒などにさす風習
菖蒲を引く その菖蒲を引き抜くこと
菖蒲の根を引く(根合せ) 菖蒲の根の長さを競い合う
(あやめは菖蒲の古名)
②源氏が玉鬘を訪れ蛍宮についてアレコレ話しかける。
活けみ殺しみいましめおはする そそのかしたりブレーキかけたり。
6.蛍宮、玉鬘と「あやめ」の歌を贈答
〈p21 兵部卿宮からお手紙がありました。〉
①蛍宮 今日さへやひく人もなき水隠れに生ふるあやめのねのみなかれん
→ありったけ長い根の菖蒲を選び出してきて結びつけたのであろう。
玉鬘 あらはれていとど浅くも見ゆるかなあやめもわかずなかれけるねの
→蛍宮への初めての返歌 恋の駆け引きの土俵に上ってきたということか。
→蛍宮は筆跡が今いちとケチをつけているが歌は機智に富んでいるのではなかろうか。
②薬玉 端午の節句につるす悪病除け
→歳時記風に綴っているので色んなものが出てくる。
今日はちょっと短すぎました。
たまには今回のような短いのもいいですね。
短い中にも源氏の素晴らしい容姿と又複雑極まる屈折した性格が描写されています。
その美しさに思わず玉鬘も惚れ惚れ心が動いたのではないでしょうか。
菖蒲の根に文を結ぶ、昔の人は風流で粋なことをするものですね。
御手はいとよしありて
手をいますこしゆゑづけたらばと
筆跡の良し悪しを対象的に表現しているのも面白い所でした。
やはり恋の歌が金釘流ではちょっと興ざめですものね。
ありがとうございます。
1.歳時記風に六条院の様子が綴られており短いながらも意義深い段落だと思います。おっしゃる通り源氏の一言一言にモヤモヤとしたやるせなさが感じられます。
2.筆跡の良し悪し、大事だったことがよく分かります。蛍宮は風流人の代名詞みたいな人ですから書も抜群だったのでしょう。それと比較するのは可哀そうな気がします。
先日青黄の宮の知り合い(津高の後輩)で書道を趣味としている人と一緒に飲む機会を得ました。古今集・百人一首は何度も書写したし将来は更に八代集あたりまで範囲を拡げたいとのことで、書道の奥深さを色々教えられました。勿論源氏物語にも造詣が深く源氏物語絵巻の詞書について解説してもらいました。書道もいいもんですね(私は全くダメですが)。