胡蝶(4・5) 玉鬘に恋文殺到する

p60 – 74
4.源氏、人々の懸想文を見て玉鬘に語る
 〈p284 四月一日の衣更えで、〉

 ①時は移って4月 夏に入る

 ②玉鬘の所へ恋文が押し寄せる。それを源氏がずかすかと入ってきて当然のこととして読む。
  →全くプライバシーもあったものではない(今と比較する方がナンセンスか)。

 ③兵部卿宮=源氏の異腹の弟 絵合で判者として登場した。
  この人何才だろうか? 北の方は右大臣の三の宮で花宴(G20年)には既に結婚している。頭中(源氏+5くらい)の北の方が右大臣の四の君なので頭中より年上が普通だと思うのだが源氏の弟ということなのでそうではない。この人ずっとあとで真木柱という女性と結婚するのだが真木柱は源氏-25才。何とも訳の分からないことになります。まあ源氏より1~2才下ということで考えておきましょうか。
  →今後読んで行く時気がついたことあれば教えてください。

 ④右大将=髭黒 初登場 31-2才 (源氏マイナス4-5才)
  僅か2行のみ。武骨なマッチョな武人タイプのイメージ

 ⑤柏木 思ふとも君は知らじなわきかへり岩漏る水に色し見えねば
  →柏木の最初の歌。この歌から「岩漏る中将」とも呼ばれる
  →夕霧ともども今後物語上重要な役割を果たす。この人の一挙一動が物語の伏線となっていく。

 ⑥源氏と右近が玉鬘の前で話を交す。
  →p64のところ難しい文章でよく分かりません。

 ⑦柏木が執念で届けつけた恋文(上記⑤の歌)が源氏の目にとまる
  →源氏も夕霧の朋友になっていくだろうと思っているのでそれなりの評価はしている。
  →見どころある文書きかな 柏木の筆跡を源氏の知るところとなった(伏線)

 ⑧源氏の兵部卿宮&髭黒に対する人物評価
  →男の勝手な言い草ではなかろうか。

 ⑨源氏と玉鬘の歌の贈答
  →源氏は親なのか親ではないのか。ある時は親、ある時はそうでない、心が動く。
  →本段総括脚注 「養父の恋」、、、珍しすぎる主題ではなかろうか。

5.紫の上、玉鬘に対する源氏の心を察する
 〈p293 源氏の君は、玉鬘の姫君を〉

 ①また例によって紫の上に女君(玉鬘)のことをアレコレ報告する。
  →言わずもがなのことかと思うが源氏のこの性格は変わらないのであろう。

 ②紫の上 「いでや。我にても、また忍びがたう、もの思はしきをりをりありし御心ざまの、思ひ出でらるる節ぶしなくやは」
  →紫の上にとって源氏は4年間養父であった。それが突然夫になった。
  →玉鬘のこともそうなるだろうと確信していたのではないか。

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4 Responses to 胡蝶(4・5) 玉鬘に恋文殺到する

  1. 青玉 のコメント:

    源氏も人が悪いですね。
    懸想文をまるで楽しむように扱い更にくどくど教訓じみた矛盾を玉鬘に述べる言葉が養父とは思えない厭らしさです。
    右近にも源氏の好き心は見えみえでしょうが親よりも夫婦としてお似合いというのは一体どういうことでしょうか?心内、ちょっと解りにくい所です。

    そうか、ここで柏木のことが細かく描写されておりその筆跡が後の伏線になる・・・
    言われてみて初めてなるほどそうだったのかと気づきました。鈍感ですね。

    当然この好色は紫の上、長年の経験と勘で百も承知・・・
    又始まったのねと内心の思いをほほ笑みにごまかして痛烈に皮肉るより他なかったのでしょうね。

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      1.昨日のコメントにも書きましたがただでさえ暇で時間を持て余していた平安貴族、まして源氏は太政大臣までなっていて普段は宮中に参上する必要もない。そんな退屈で堪らない源氏にとって玉鬘の出現は「干天の慈雨」だったのではないでしょうか。豊富な恋愛経験に基づき「玉鬘結婚物語」を演出し自らも主役の一人として出演する。そんな感じもするのですが、、、。

      2.右近の心、、、面白いところですね。明日の投稿にも書きましたが私は右近は源氏と玉鬘との結婚を願望していたであろうという意見です。先に右近は「夕顔が生きていたら明石の君と同様の扱いを受けていたのに、、、」と残念がっておりその想いを玉鬘に託し源氏との結婚→女子の出産→入内(チャンスがあれば)までを狙っていたのではないでしょうか。さしずめ「右近の野望」であります。(この女子の外祖父は内大臣(頭中)であり全く論外の話ではないと思うのですが)

      明日から猛暑の名古屋・伊勢方面に出かけます(こちらも猛暑ですが)。投稿は予定投稿にしてありますがPC持って行かないのでコメントへの返信は遅れます。ご容赦ください。

      • 青玉 のコメント:

        右近の言動にはそれと匂わせる願望が見え複雑な心理ですね。
        もしもそのような野望を抱いているとしたら大それた女性です。
        入内までの野望、私には想像もつかなかった発想ですが言われてみれば無きにしも非ずですね。
        それは夕顔に対する忠誠心でしょうか、それとも我が身の安泰?
        今は源氏の配慮で紫の上付きの女房になっているのに裏切りに思えないこともありませんが・・・
        色々な思いを飛躍発展させ想像しながら読むのも面白いですね。

        それにしてもこの暑さ、灼熱地獄のようです。
        移動も大変です、どうぞお気をつけて!!
        私も土曜日からしばらく三重行きです、山奥なので朝晩はほんの少々凌げます。

        • 清々爺 のコメント:

          「野望」とは大げさでした。明石の入道じゃあるまいし右近がそんなもの抱いても自らの手で叶えられるものでもないですしね。「そうあったらいいのになあ」という「夢に近い願望」というのが正しいでしょうか。

          そう言えば夕顔の突然死の場面で右近とともに大活躍した惟光も娘(藤典侍)が夕霧と結婚できればいいのになあと願望を抱いてましたね(少女の巻)。何とか玉の腰に乗せたいという思いは誰しも抱いていたのでしょう。

          青玉さんもどうぞお気をつけて。。

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