p110 -122
18.内大臣、雲居雁を引き取る旨、大宮に通告
〈p135 内大臣はあれ以来、〉
①内大臣(頭中)は右大臣二条邸に北の方(右大臣の四の君)と住んでいる。ここに入内している弘徽殿女御を里帰りさせる。
→休暇を取って里帰りさせるのも大変、冷泉帝は不満だが内大臣は押し切る
②ここに雲居雁も引き取って弘徽殿女御の遊び相手にする。
→雲居雁を大宮の所にはおいておけない、内大臣の大宮に対する怒りがおさまらない。
→この辺が何事にも一直線な内大臣の性格か
19.夕霧、大宮邸にまいる 内大臣の真意
〈p138 折も折、ちょうどそこへ〉
①内大臣の息子たち多数いる(大宮の孫)が大宮には夕霧が第一。
夕霧が去って、雲居雁が大宮の慰めになっていた。その雲居雁を連れていこうとする。
②内大臣の心内
もうできてしまったことなら結婚を許してもいいがズルズルとでは困る。けじめをつけて親同士も許す正式な結婚としなくては。それには今の六位のままではどうしようもない。
→誠に真っ当な考えではなかろうか。
→源氏が六位から始めさせたことがここでも尾を引いている。
20.大宮、雲居雁と惜別 夕霧の乳母の立腹
〈p139 大宮から姫君へのお手紙に、〉
①大宮は雲居雁を呼んで別れを告げる。雲居雁も哀しい。
②夕霧の乳母(宰相の君)の恨み節。
内大臣はどうおっしゃられようと夕霧さま以外の人に靡いてはいけませんよ。わが夕霧さまより立派な男なんているわけないんですからね。
→乳母の怒りは尤もであるが雲居雁もこう言われても困ったであろうに。
21.夕霧、大宮のはからいで雲居雁と逢う
〈p141 夕霧の若君は、物陰に隠れて居て、〉
①雲居雁が内大臣に引き取られる前に夕霧に逢わそうと宰相の君は大宮に相談する。
→さすがしっかりした主人思いの乳母である。
②そして対面 二人の切羽詰まった対話が心を打つ
夕霧「恋しとは思しなんや?」
→ Do You! Love! Me!? と一語づつ切れ切れに言った。のであろうか。
③内大臣が内裏から帰ってくる。夕霧はバレても構わないとヒシと雲居雁を抱いて離さない。
④雲居雁の乳母 「もののはじめの六位宿世よ」
→これは強烈。夕霧にはぐっさり来たことであろう。もしこれを源氏が聞いたらどうしてただろう。
⑤夕霧と雲居雁の切ない歌の贈答
夕霧 くれなゐの涙にふかき袖の色をあさみどりとや言ひしをるべき 代表歌
雲居雁 いろいろに身のうきほどの知らるるはいかに染めける中の衣ぞ
弘徽殿女御立后の夢破れ夕霧、雲居雁の事もあり頭中、八つ当たりの様相ですね。
月に数日しか夕霧に会えないのに更に雲居雁まで本邸に引き取られることになり大宮の淋しさ、やるせなさが思いやられます。
手塩にかけて孫二人を育てた大宮には心から同情します。
ここでは夕霧の六位が強調されていますね。
夕霧自身の和歌にも「さみどり」として自身の口惜しさがせつなく詠われています。
源氏がこの六位という立場にこだわる真の意味はなんだったのでしょう。
昨日PC全面修復、やれやれです。(職業訓練学校時代の若き助っ人が来てくれました)
ご心配おかけしました。
ありがとうございます。(PC治りましたか。よかったですね)
この辺舞台は左大臣三条邸で大宮・内大臣(頭中)・雲居雁&そこへ尋ね来る夕霧の4人が登場人物なんですが、私の疑問は源氏はどう思ってたのかということです。源氏は雲居雁と夕霧のことは何も知らなかったのでしょうか。二条東院で花散里が面倒みてたわけで何らかの情報はあったと思うのですけどね。
六位から始めさせ二条東院で猛勉強させるのは厳しい教育方針としていいにしても父親なら絶えず目を離さずフォローしてやって欲しいところです。源氏は夕霧に対しては冷たいなあという印象ですが、いかがでしょう。