p152 – 162
11.源氏、桂の院に赴き饗応する 帝歌を賜う
〈p332 源氏の君が非常に重々しく悠然と車のほうへお歩きになる前を、〉
①桂の院に取巻き連中が集まっている。冷泉帝からの手紙も来ている。
源氏が加わっていつものように大宴会(管弦の宴)になる。
→若紫10の所と同じ(p48)
②桂川の鵜飼、有名 →大堰山荘が描かれる絵巻には必ず鵜飼が入っている
③帝からの歌 月のすむ川のをちなる里なれば桂のかげはのどけかるらむ
→よほど源氏を慕い頼りにしていたのであろう
④桂の院には連中に渡す引き出物の用意がないので大堰の明石の君にヘルプを頼む
→明石の君の妻としての存在価値を語っている
源氏も借りができたことである
12.源氏帰邸 姫君の引取りを紫の上に相談
〈p338 二条の院にお帰りになり、〉
①二三日の予定が五日めに二条院に帰る。
→さぞバツが悪かったろう。すぐに寝所へ、紫の上も同衾したのだろうか。
(ためらう紫の上をお姫さま抱っこで寝所へ連れていった→私の希望的推測です)
②「なずらひならぬほどを思しくらぶるも、わろきわざなめり。我は我と思ひなしたまへ」
→源氏の紫の上への常套句(そう言われても納得できる筈はない)
③朝帰りして暮れかかると宮中に行ってしまう。その間明石の君に文を書いている。
→紫の上も堪ったものではない。
④さすがに気が引けて(このままじゃ拙いと思ったのであろう)夜更けに二条院に戻る
明石の君からの手紙が来ている、「こんなもの破ってよ」って言われても紫の上は困っただろうに。
→この辺りの描写、細かくて面白い。
⑤源氏→紫の上 姫君のことを持ち出す
いかがすべき。ここにてはぐくみたまひてんや。
→この辺りの駆け引きが実にうまい。紫の上の心を捉えてしまう。
⑥子どものない紫の上、自分の手で育てたいと思う心は偽らざるところだったのでは。
⑦大堰には月に二度しか行けない。
→紫の上の機嫌をこれ以上損ねては拙いとの危機管理意識が働いている。
源氏も律儀なものである(心底から紫の上を愛していたのだと思います!)
大堰の邸には俄か普請とはいえ一応の用意が整っているのはさすがですね。
これも明石一族の心配りなのでしょう。
源氏帰邸、この段の紫の上とのやり取りはとても面白いです。
今時の普通の夫婦と何ら変わりのない会話ですね。
男は外泊の言い訳をし女の機嫌をとる、女は不機嫌に無視する。
双方の心理的描写、うまいですね~
子ども好きな紫の上に姫君の話題は緩和材料。
この場面、紫の上の母性本能を利用した?
もちろん姫君の将来を見据えてのことでしょうけど・・・
大堰里待つは哀しき秋の風
奏でる琴の侘しかりける
待つと松を掛けたつもりなのですが?・・・
ありがとうございます。
1.日延べして帰邸した源氏と紫の上とのやりとり、リアルでいいですね。「斧の柄さへあらためたまはむほどや、待ち遠に」と皮肉っぽく送り出されて来ただけに源氏としては予定どおり2泊3日で帰り、「ホラ、、ちゃんと帰ってきましたよ」と言いたかったのでしょう。でも近習たちが桂に押し寄せたこともあって不可抗力的に適わなかった。ホント今の夫婦と全く変わりませんね。
2.源氏が紫の上に明石の姫君を養育して欲しいと相談する。ここから実母=明石の君、養母=紫の上と明石の姫君との三人の物語が始まるのです。三人が三人ともまともな生き方を展開するこの物語を私は大好きです。→先取りですが結局明石の姫君が紫の上を看取ることになるのですから(御法-国宝源氏物語絵巻の場面)。
3.松風の歌、松と風がちゃんと詠みこまれていいですよ。明石の君になり代わっての心情がよく表れていると思います。琴の音も聞こえてきそうです。
青玉さん
この和歌、〆として最高ですね。響きもすきです。
流石です、ありがとうございます。
ハッチーさん、気に入っていただき有り難うございます。
歌はまったくの自己流です。
細かく言えば文法的にはかなっていないと思います。
例えば今回の和歌も「かりける」と「かりけり」で迷いました。
学生の時の文法、嫌いでさぼっていましたから。
助動詞の未然、終止、連体、連用だとかはさっぱり・・・
助詞の使い方もあやふや・・・
琴の・・・侘しかりける
琴も・・・侘しかりけり
う~ん難しい、まあ素人のやることですから許して下さい。