絵合(3・4) 斎宮の女御 vs 弘徽殿女御

p85 – 88
3.冷泉帝、斎宮の女御・弘徽殿女御と睦ぶ
 〈p279 藤壷の尼宮もその夜は参内なさいました。〉

 ①冷泉帝13才(父は桐壷帝 母藤壷・・・実は源氏との子)
  弘徽殿女御12才が既に入内している(父は頭中、母は右大臣の四の君)=藤原方
  ここに前斎宮22才が入内(父は故東宮、母は六条御息所)=皇族方

  この二人による後宮争いが展開される
   →ここに至って源氏の政治的相手は朱雀帝から権中納言(頭中)に切り替わった

 ②冷泉帝は夜は弘徽殿女御&斎宮女御 半々で訪れる
   →律儀なものです。

4.朱雀院、源氏と語る 帝の後宮二所相競う
 〈p281 朱雀院は、あの櫛の箱のお返事を〉

 ①源氏と朱雀院の会話 前斎宮のことは互いに胸に秘めながら大人の会話を装う。

 ②朱雀院は公式行事(御櫛の儀)の場で斎宮の女御をしっかり見ている。源氏はまともには見ていない。それ故に想像が妄想を産む。
   →親代わり的にこれだけ面倒を見ていても顔は見れていない。この辺にも御息所の遺言が効いているのではなかろうか。

 ③兵部卿宮(藤壷の兄)も娘の入内を狙っているが源氏が立ちはだかっているのであろう。
 

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4 Responses to 絵合(3・4) 斎宮の女御 vs 弘徽殿女御

  1. 青玉 のコメント:

    ここでも源氏、頭中は後宮争いを巡ってお互いにライバル心むき出しで競われるのですね。

    冷泉帝、お二人の女御の元を平等に訪れるのがとても可愛いくなんだか微笑ましいです。

    源氏と朱雀院の内心を見せない探り合い、意味深長ですね。
    さて今後、後宮を争いはどのように進展していくのでしょう・・・

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      投稿欄でも書きましたが今後頭中とのライバル関係が続いていきます。頭中にしてみれば冷泉帝の後宮には弘徽殿女御という適齢の娘がいてそれで決まりと思ってたことでしょう。まさか源氏が年令的にもえらく年嵩の前斎宮を自分の養女として入内させてくるとは夢思わなかったでしょう。「えっ、そんな!そりゃあズルイよ!」頭中の叫びが聞こえてきそうです。

      前斎宮の入内は朱雀院と頭中、二人の男に打撃を与える強烈な一撃だったと言えるのではないでしょうか。

  2. ハッチーより のコメント:

    清々爺&青玉さんへ

    ようやく皆さんとご一緒に読めることになりました。読みながら、清々爺の解説&コメントとさらには青玉さんの見解を見ていると、これまで以上に物語も読むのが面白くなってきます。なかなかコメントまで書けませんが、このブログの存在に改め、感謝です。
     

    • 清々爺 のコメント:

      追いつけましたね。おめでとうございます。
      始めたのがこの正月からだからえらいスピードですね。大したものです。これからは一緒にゆっくり行きましょう(と言っても結構忙しいと思いますが)。

      皆で楽しみながら読み進めることに意義があるので些細なことでも初歩的なことでも独断でも何でもかまいません。自分の読後日誌だと思って気軽に本欄を活用してください。

      (注意) 名前のところは「ハッチー」にしてください。「ハッチーより」の「より」は不要です。「ハッチー」で登録してありますので「より」が付くと撥ねられてしまいますので。

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