明石物語が展開されます。
p201 – 210
4.予言どおり、明石の君に女子誕生
〈p173 そういえば、あの明石で悪阻に悩まされ、〉
①使いがもたらした次の言葉が物語の方向を決定づける。
「十六日になむ。女にてやひらかにものしたまふ」
→女であったことが全て。男では話にならないし、明石の君も捨てられたままだったかもしれない。物語とは言え残酷な話ですね。
②宿曜(インド由来の星占い)
「御子三人、帝、后かならず並びて生まれたまふべし。中の劣りは太政大臣にて位を極むべし」
→この予言はここで初めて叙述される。これで話の流れが決定される。
源氏には子どもが三人、
冷泉帝(藤壷との密通の子) 今11才 既に帝になった
夕霧(葵の上の忘れ形見) 今8才 童殿上へ
明石の姫君 今生まれたばかり。この姫が后になるということ。
③源氏は明石の姫君誕生のことを聞き、宿曜の勘申と合わせ明石の君を京へ呼び寄せることを決意する。
5.源氏、明石の姫君のために乳母を選ぶ
〈p174 あんな片田舎では、まともな乳母も見つけにくい〉
①源氏の想い。
明石に姫が生まれた。やった!宿曜の予言どおりに事を運びたい。受領クラスの娘の子では后など無理だ。そこは何とか策をめぐらせねばならない。でも何より先ずは姫を田舎育ちなどにせず極上の貴婦人に教育せねばならない。それには然るべき者を乳母として送り込み、母も娘もしっかり教育することが必要だ。
→誠に理に適った考えです。教育が大事です。
②そこでスカウト網をめぐらし宣旨の娘を捜し出してくる。
→宣旨の娘と源氏とのやりとりが面白い。
源氏はわざわざ宣旨の娘の家を訪れ、直に言葉を交し大事を依頼する。
→ここではさすがに実事はなかったのであろう。ただ親しく色めかしい冗談を交して女心を蕩けさせたのでしょうね。手を握り、お尻くらいは触ったのでしょう。
「ねぇ、本当は乳母になんぞやりたくないんだけど、、君しかいないんだ、、頼んだよ、、」
→そりゃあ女性は悪い気持ちはしない。源氏の君に褒めてもらえるならと勇んで明石に行く気になったのでしょう。うまいもんです。
6.乳母、明石に到着 明石の人々よろこぶ
〈p178 乳母の一行は、車で京の町を去って行きました。〉)
①万全の準備を整え宣旨の娘を乳母として明石に遣わす。
②明石の入道の嬉しさはいかばかりだったろうか。
明石の君もほっとしたことだろう。
ひとりしてなづるは袖のほどなきに覆ふばかりのかげをしぞまつ
→さすが明石の君。しっかりと源氏に娘のこと自分のことを訴えかけている。
明石の君に姫君誕生、明石の君天晴れ!!
源氏が上昇する時は何もかもが上手く運ぶような運の強さがうかがえます。
これで明石の君の立場も安泰であれば良いのですが・・・
源氏の頭には今後の筋道がきちっと描かれているのでしょう。
源氏、相変わらず口マメでおだて上手ですね。
乳母候補の女性もころっと参ってしまう、無理もないです。
明石一族の喜びはこの上もないことでしょう。
特に入道は万歳と喝采を叫びたい所でしょう。
姫君の誕生でまた物語の奥行きが深まりそうで楽しみです。
ありがとうございます。
よくポイントを整理されていると思います。これをしないとこんがらがってしまいます。是非励行してください。
宣旨の娘とのこと、紫式部は実にうまく書いていると思います。このような女房クラスと源氏とのやりとりとしては、
①六条御息所の女房中将のおもと(夕顔7)
②藤壷の女房王命婦(二人のラブシーンは述べられてないが)
③本段の宣旨の娘
④後で出てくる夕顔の女房右近に足をさすらせる場面
が記憶に残っています。源氏の色好みが如何なく発揮されてるところだと思います。読者の女房たちも胸をときめかせたことでしょう。