p160 – 168
14.都の紫の上に明石の君のことをほのめかす
〈p138 二条の院の紫の上が、〉
①紫の上に明石での出来事をほのめかす(告白する)
→黙ってりゃいいものをと思うのだがそれでは源氏の良心が許さない。
でもストレートには言わず「ほんの浮気なんだから」と言い訳がましく。
紫の上には隠し事はできない。許してくれるはずと甘えているのか。
②紫の上からの返歌も屈託がなく好ましい。
うらなくも思ひけるかな契りしを松より波は越えじものぞと
→名高い末の松山
No.42契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山浪こさじとは(清原元輔)
③源氏もさすがに岡辺の宿通いを自粛する。
15.源氏、紫の上を思う 明石の君の嘆き
〈p140 明石の女は、前々から〉
①明石の君の嘆き・不安は計り知れないものであったろう。源氏に許したものの身分は違うし都の正妻を慮ってか通ってくるのも途切れがちになる。このまま捨てられてしまうのではないか、、、。
②源氏と紫の上。交換絵日記みたいな調子で心を通わせ合う。
→この時の絵が後の絵合せで威力を発揮する。
16.赦免の宣旨下る 明石の君懐妊する
〈p142 年が改まりました。〉
①G28年になった。
朱雀帝と承景殿女御との間に皇子誕生し2才になっている(後の今上帝)。朱雀帝は眼病芳しくない。早く皇位を東宮(10才=藤壷腹皇子)に譲って2才の皇子を次の東宮に立てたい。それには新帝の後見として源氏を返さねばならない。眼病が治らないのも父の遺言に背いたからであろう。。。と朱雀帝は考える。
②そして朱雀帝は弘徽殿大后の反対を押し切って源氏を京に戻すことを決定する。
→やっと男らしい決断である。
③明石の君 懐妊 →大ニュース。これが物語展開の決め手となる。
④源氏は帰る。残された明石一族はそれぞれに思い悩む。入道としては大願を叶えるには源氏には京に戻って復権してもらわねばならないが、このままご無沙汰になってしまえばそれでお終い。不安と期待が交差したことであろう。
⑤供人たちの述懐が興味深い。
→明石の君のことを詳しく知らない供人にしてみれば、旅先での現地妻的な女に帰る間際に未練たらしく連日おおっぴらに通う源氏の行動は理解できなかったのだろう。やはりここにも明石の君と源氏とでは身分が釣り合ってないとの意識が根底にあるのでしょう。
何故源氏は紫の上に打ち明けるのでしょうね。
正直ばかりが能ではありません。
知らなければ済むことをわざわざ打ち明けるなんて!!
私、この頃つくずく思うのです。
以前、紫の上は源氏に女性としてこれ以上ない立派な教育を受け幸せな女性と思っていたのです。
所が他の女性のように通ってくるわけでもなく同居していて源氏の日々の事象を目の前で見聞きしている。
言ってみれば何もかも源氏のすべてをお見通し。
女性としてこんなにも辛くて蔑ろにされることなんてないように思います。
一番耐えているのは紫の上ではないでしょうか。
自分の意志とは別に幼いころから源氏の言うまま、人形のように育てられ嫉妬やあてこすりだけが唯一紫の上の強烈な意思表示です。
うらなくも思ひけるかな・・・の和歌にどれだけの思いが秘められているか源氏よ!!おわかりですかと言いたい!!
ついつい紫の上に同情してしまいました。
一方、明石の君懐妊の兆しとほぼ同時期に京より赦免の宣旨が下る・・・
源氏の喜びはもちろん明石を去る一抹の複雑な気持ち、又入道、明石の君の深い悲しみや嘆きがそれぞれに微妙に伝わってくる場面ですね。
ありがとうございます。
私は誰が何と言おうと紫の上が一番なので同情していただいてありがたいです。紫の上、この時点で19~20才。傷心して須磨・明石に落ちた源氏を励まし慰め2年も留守を守っているのです。けなげですねぇ。
これまでひたすら一途に源氏を信じてきた紫の上、その紫の上に作者は源氏に明石からお土産を持ち帰させる。それが愛人+娘、、、紫の上には辛い展開になっていくのですね。でも、負けるな、ガンバレ!紫の上。。
私も青玉さんと同じように思います。昔(若かった頃)源氏物語を読んだ時には、紫の上を理想の女性のように錯覚していました。きっと読みが浅かったのでしょうねえ。
今読むと哀れでなりません。今も昔も幸せの定義なんてないのでしょうが、自分の意思をつらぬくには出家しかないような時代は、考えただけでぞっとします。
源氏物語にでてくるどの姫君もそれぞれの苦しみを生きているようですね。
ありがとうございます。
おっしゃる通りだと思います。私も娘を紫の上のような境遇にしたいとは思いません。むしろ紫の上のような境遇の女性を助け出して妻にしたいなあと思います。この境遇から自らの手で這い出せないのが紫の上なんですね。かわいそうです。