源氏物語には名場面、名調子が沢山出てきます。思いつくところを列挙すると、
①余りにも有名な冒頭「いづれの御時にか、女御更衣、、」
②北山で若紫発見「雀の子を犬君が逃がしつる、、」(大河で出てきた)
③ああ末摘花「あなかたはと見ゆるものは鼻なり、、」
④車争い「これは、さやうにさし退けなどすべき御車にもあらず、、」
⑤野宮の別れ「はるけき野辺を分け入りたまふよりいとものあはれなり」
⑥須磨の秋「須磨には、いとど心づくしの秋風に、海はすこし遠けれど、」
⑦右近・玉鬘、長谷寺での遭遇「なほさしのぞけ、我をば見知りたりや」
⑧蛍に浮かぶ玉鬘「さと光もの、紙燭をさし出でたるかとあきれたり」
⑨近江君の爆笑譚「何か、そは。、、大御大壺とりにも仕うまつりなむ、」
⑩初めて見たり紫の上「、、おもしろき樺桜の咲き乱れたるを見る心地す」
などなど。
こういう名場面は何れも名文・名調子なので声に出して読むとすごく気持ちがいい、「あ~あ、源氏物語を読んでるんだ」と自己満足に浸れます。最初は難しいですが、段落や振り仮名をつけて何度も読んでいると慣れてきます。是非トライしてください。
源氏物語は口承文学ではなく書かれた文字を読むのであったと思うのですが、写本は限られた数しかなかったので女房たちが朗読してそれを聞くという方法も一般的だった筈です。中世の武将なども読むのは苦手だけど源氏は身につけておかなくてはと音読をきいたのではないでしょうか。
10月からはいよいよ本番に入るわけですがやはり楽しみなのは原文に当たることですね。
これまでは訳文のみをさらってきたわけで原文の良さを味わっていないからです。
名場面、名調子に浸ってみたいですね。
でもそんな余裕あるかしら?
冒頭の部分、何かで読んだのですがほぼよく似た文章が他にもあるとか?
その何かが記憶になくどこで読んだのかがいまだに引っ掛かっているのです。
ご存知でしたら教えてくださいね。
近頃、そう言うことが多く、どこで聞いたか何で読んだかが分からなく困っています。
丁度、リンボー源氏も今日から鈴虫、源氏50歳夏から仲秋までとあり季節もぴったり。
今月中には「幻」を終えて10月からはテキスト、リンボーを一巻から併用の予定です。
さて、個性豊かな女君たち、原文ではどのように表現されているのでしょうね。
そこのところ、興味あります。
末摘花や近江君のような女性も登場するのは何か微笑ましく安堵したりもします。
名場面を記憶に残していくことこそ源氏物語を読む喜びだと思います。
名場面リスト、別ページに載せていこうと思っています。
冒頭の部分のこと、よくご存じですね。スッと出て来なくてもひっかかってればいいのです。調べれば分かることですから。
先日来桐壷のコメントを準備しててこのこと書いたばかりです。先取りして引用します。
・この冒頭は「伊勢集」の冒頭と酷似しているので有名です。
「いづれの御時にかありけむ、大御息所ときこゆる御つぼねに、大和に親ある人さぶらひけり」(伊勢集)
紫式部は先輩歌人伊勢を敬愛してたようですから、ちょっと拝借したのでしょうか
先日物語論のところでも書きましたが、伊勢集とは空蝉の巻で空蝉が読んだ歌がそっくり重複しており、紫式部と伊勢との繋がりを思わせます。
リンボウ源氏、順調ですね。鈴虫は国宝源氏物語絵巻に残ってるものの一つで源氏・冷泉帝の親子対面の場が見せ場でしょうか。
伊勢集でしたか、すっきりしました。有難うございます。
伊勢と言えば百人一首の19
難波潟みじかき蘆のふしの間も逢わでこのよを過してよとや
いかにも情熱の歌人ですね。
9世紀から10世紀初めに生きた人で紫式部よりずっと先輩ですのね。
百人一首と言えば10月から新講座(カルチャー)で、「和歌で楽しむ王朝物語」(百人一首を中心に)を見つけました。
佑之氏の講座も今月限りなのでこちらの方を受講しようかと考えています。
伊勢と言われて津じゃなくして、19番と出てくるところ最高ですね。
もう百人一首バッチリですよ。
カルチャー新講座でますます向上を図ってください。そして色々教えてください。。