六条院、この豪華な舞台を作り出したこと誠にアッパレ!だと思います。
正に源氏物語を象徴する舞台装置です。場所は内裏からけっこう遠い。そして六条とは即ちあの御息所のところです。御息所の死後その旧邸宅をどうしたのか不明ながら手に入れそこを含む四町の広大地(240M X 240M)に豪華な国風寝殿造りを出現させたのです。春・秋・夏・冬の四区画に分け女君を分散配置して住まわせ、源氏は気の向くままに泊まり巡る、、、「六条ハーレム」と呼ばれる訳であります。
六条院の図、それぞれの町の配置と趣向は是非頭の中に入れていただければと思います(六条院の復元図色々書かれています)。玉鬘十帖は主としてここを舞台に展開されます。そして第二部は若菜上でこの紫の上の根城たる六条院春の町に女三宮が入り込んでくるところから始まります。こりゃあ大変なことになるなあとピンと来るのです。
六条院の四季の風情は少女の巻に素晴らしい描写があります。繰り返し朗読すべきところかと思います。また玉鬘の巻で女性たちそれぞれに見合った正月用の新調晴着を配る場面(「衣配り」と呼ばれる)も名場面です。
四季の町を配して季節の移ろいを語り花鳥風月とともに年中の行事が描かれる。そして紫の上と秋好中宮との春秋論争も盛り込む、、、六条院あってのことです。
六条院のモデルは源融の河原院とも言われています。一時は須磨に流れた身でどこにそんな財力があったのか、、、なんて考えるのは無用の詮索と言うものでしょう。
六条院、素晴らしいとしか言いようがありません。
譬えれば何を想像すればいいのか、現実には見たことのないもので「想像だに絶する」と言うほかないような気がします。
まさに「六条院ハーレム」ですね。
そこで繰り広げられる女君たちの心の葛藤、悲喜こもごもの描写、見事ですね。
それにもまして六条院の四季折々の風情、雅びな年中行事。
又女性としては正月用の衣装、興味をそそられます。
京都「染司 よしおか」の主、吉岡幸雄が源氏の色の再現を研究されたNHKの番組を見たことがあります。
日本古来の草木染め、紫のゆかりってどんな色なんでしょうね。
実物を見てみたいです。
ありがとうございます。
六条院、位置的には内裏から遠く京内でははずれに近い。この六条に御息所をおいて源氏を通わせ、それを受け継いだ形で六条院を設営し物語の主要舞台にする、、、この辺に紫式部の意図を感じるのですがいかがでしょう。土御門殿にいた道長を意識しての設定かもしれません。
吉岡幸雄「源氏物語の色辞典」、ずっと欲しいなと思いつつ手が出なかったのですが、この際思い切って買うことにしました。。
吉岡幸雄氏の講演「日本の色について」を聞いたことがあります。
全4回で①万葉の彩り②王朝の襲ね色目③武家の時代④江戸の色 でした。
植物染 草木染 虫染め 貝染め の材料を持参くださったのでよくわかりました。
源氏物語の色では実際に工房で絹にそめたものを反物のかたちでお持ちになり、受講者は自分の手で触れて楽しむことができました。落ち着いたしっくりくる色といえましょうか。(表現の仕方がむずかしいのですが・・・)
「源氏物語の色辞典」は印刷されたものなので少し
感じが異なるような気がしました。
どこかで見る機会があれば、ぜひお出かけになってみてください。
そんな講演に足を運んでいたんですか。古典方面ほんと幅広いし、キャリアも豊富。さすがです。
染色技術は相当レベルが高かったのでしょうね。
植物染、草木染は分かるんですが虫染め・貝染めなんてのもあるんですか。びっくりしました。ググって勉強させてもらいました。
源氏物語で染色通と言えば一に紫の上、二に花散里でしょうか。
それと染色→裁縫というと「手習」で浮舟が自分の一周忌法要のための衣服作りを頼まれて困惑する場面が思い浮かびます(⑯p255)。白地の布を染めて仕立てるまでどれくらいかかったのでしょうね。