p172 – 180
23.源氏参内して、帝と昔今の物語をする
〈p280 源氏の君はまず帝の御前に参上なさいますと、〉
①朱雀帝と源氏 兄弟の会話。これからも出てくるが二人の立ち位置が興味深い。
②尚侍の君(朧月夜)を巡る二人の会話。帝は優しすぎるのではないか。
普通ならここは一発「オイお前、まだトンデモナイことしてるみたいだな。いい加減にせんかい!」とかますとこでしょうに。
なんか愛人を仲良く共有しようと言ってるようで共感できません。
③朱雀帝の話に斎宮(御息所の娘)のことが触れられる。源氏は帝が斎宮に目をつけたなってピンとくる。そこで自分も野宮でのことを思い出し(野宮でもチラっとみかけたのだろうか)対抗心を燃やす(後の物語の伏線となっている)。
④麗景殿の女御=右大臣の孫にあたる。朱雀帝も右大臣の孫。ややこしいですね。
右大臣から見れば娘が天皇の母(弘徽殿大后)、天皇は孫、その天皇に娘(朧月夜)と孫(麗景殿)が入っている。右大臣もこんがらがったのではないでしょうか。こういうのを摂関政治というのでしょうね。
⑤「白虹日を貫けり。太子畏ぢたり」
漢籍が引かれているがピンと来ない(余り有名な話ではないのでは)
24.源氏、藤壷の方に参上、歌に思いを託す
〈p283 月光が鮮やかに照り輝いているのを御覧になって、〉
①源氏、宮中に居て今日里邸に帰る藤壷にあいさつに行く。
藤壷からの歌 意味深長(意図慎重)である。
ここのへに霧やへだつる雲の上の月をはるかに思ひやるかな 代表歌
②6才の東宮が母藤壷を慕う様子がいじらしい。
25.朧月夜より源氏へ消息をおくる
〈p285 源氏の君は、あの時、頭の弁が史記の〉
①朧月夜と手紙のやりとりが続いている。
②逢瀬が少し途絶えると女君の方からモーションがかかってくる。ホントこの女君積極的ですねぇ。
私もそう思います。帝は鷹揚過ぎます。
兄として言うべきはキチンと言えばよろしいのに。
これでは弘徽殿の言うままで先が思いやられます。
もうすでにその気配が濃厚ですね。
野宮での御息所の事も打ち明けられたのですね。
朧月夜は帝にとって叔母の関係になりますよね。そして麗景殿の女御は従妹?
だんだんと人物が増えるに従って関係がややこしくなり系図を見てはちょっと待って、ふんふんと言う感じです。
東宮もまだ6歳ではお考えも深くおよばずただただ母恋しの健気さです。
朧月夜からは催促のようなお手紙、源氏先を越されてしまいましたね。
ありがとうございます。
朱雀帝、この人とも今後長い付き合いになります。病弱のようですが結局は源氏よりも長生きしたのじゃないでしょうか(少なくとも第二部が終わる「幻」のところでは亡くなっていない)。
強気でやり手の弘徽殿女御を母に持つにしては何とも弱気で消極的。マザーコンプレックスだろうか。万事に自己主張が強く情より理を重んずる母親に育てられるとこういうことになるのでしょうか。父の桐壷院も源氏が生まれてからは源氏の方を可愛がっている。両親の愛情が薄かったのではないかと思います。
そしてこの兄は弟のことが大好きなんですね。好きというより一目おいている、敬愛している、もっと言えば憧れているように思います。後の述懐で「私が女だったら源氏と関わりを持ちたいと思うだろう」なんて言ってますから。
朱雀帝は今後ストーリーに大きく関わってくる重要人物です。男性登場人物としては頭中と並ぶ準主役でしょう。朧月夜とのことそして女三の宮のこと、源氏との三角関係・四角関係みたいで複雑です。じっくり考えていきたいと思います。