若紫(24・25・26) 二条院での源氏と若紫

p101 – 107
24.源氏、紫の上に手習を教え、ともに遊ぶ
 〈p320 源氏の君は二、三日宮中へもお上りにならず、〉

 ①自邸に連れて来て四六時中いっしょにおり自分好みの女性にしたてる。
   →源氏物語だからいいものを。世の中で一番あってはいけないことであろう。。

 ②源氏と紫の上との歌の応酬
  源氏 ねは見ねどあはれとぞ思ふ武蔵野の露わけわぶる草のゆかりを
     脚注4の通りすごく技巧的で意味を隠した歌

  紫の上 かこつべきゆゑを知らねばおぼつかないかなる草のゆかりなるらん
      紫のゆかり(藤壷→紫の上)を両者で詠いあう

  和歌と書、上手な人のを手本として何度も書いて和歌の作り方・書道を学ぶ。紫の上の素質の良さが語られる。

25.父兵部卿宮と、邸に残る女房たちの困惑 
 〈p323 あちらのお邸に残った女房たちは、〉

 ①乳母少納言がどこかへ隠した → まあそれなら仕方がない、悪いようにはしないだろう、、、と父宮は思ったのだろうか。

 ②父宮の北の方が出てくる。紫の上の継母。この人も悪役サイドに位置づけられようか。

26.紫の上、無心に源氏と馴れむつぶ
 〈p324 二条の院の西の対には、〉

 ①源氏がやさしく一緒に遊び、教え、言い聞かせるので紫の上はすっかり源氏に馴れ親しむようになる。
  
 ②源氏も外出先から帰ると飛びついてきて無邪気に振る舞う紫の上は目茶目茶可愛かったのだろう。左大臣邸(葵の上)や六条御息所の所への足は遠のく。

 ③巻末に女性の一般論を語り、紫の上の年に似合ぬあどけなさ(無邪気さ)を強調している。

これで「若紫」は終わり、紫のゆかりのストーリーは次の「末摘花」を飛ばし「紅葉賀」へと続いています。
    

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6 Responses to 若紫(24・25・26) 二条院での源氏と若紫

  1. 青玉 のコメント:

    いよいよ源氏、自分好みの女性への教育開始ですね。
    とて、 紫の上だって生身の人間、成長するにつれ反発や猜疑心は芽生えなかったのか、どのような大人の女性に成長するのか行く末が楽しみです。

    源氏の歌、「寝」と「根」をかける、意味深長な歌ですね。
    紫の上の歌も素直ですね、10歳でこんな歌が読めるとは!!

    父兵部卿宮、北の方、失って初めて紫の上の価値に気づいたのでしょうか?
    それは純粋な愛情からでしょうか。

    若い父親とあどけない娘の疑似親子ごっこのような場面を想像してしまいました。
    この巻、紫の上の鮮烈なデビューでしたね。
           紫のゆかり香ぐわし若草の
                  花ぞ咲きける縁(えにし)深けれ

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      1.父式部卿宮は紫の上をどう思っていたか不思議です。紫の上は正妻腹の子ではないが母は大納言の娘だったわけでそんなに身分が低すぎるわけではない。式部卿宮がきちんと認知して育てあげれば正式に入内(朱雀帝に)させる可能性もあったのではなかろうか。何といっても天皇の孫なのですから。

       源氏に引き取られずるずると愛人となったまま一生を終える紫の上。光輝く源氏の君の愛情を一番注がれた女性だったとはいえ果たして幸せだったのか。これが源氏物語読み解きの最大のテーマの一つです。考えていきましょう。

      2.和歌、すばらしいです。そろそろ別リスト(右側ページ)にまとめようと思っています。どういうタイトルにしますか。与謝野晶子は「源氏物語礼讃歌」ですが、「青玉源氏物語和歌集」でいいですか。考えてください。

  2. 式部 のコメント:

    青玉さん、若紫の和歌いいですね。和歌集楽しみです。
     個人的にはいわゆる紫の上よりも、10歳くらいまでの若紫が好きです。天真爛漫、のびのびしていて可愛い、利発なところもいいですね。源氏の君はこの若紫の本来の資質をもっと伸ばせなかったのかな? と思います。

    • 清々爺 のコメント:

      若紫、いいですよね。源氏に習って一生懸命幼い歌を詠むところなんかジーンときます。でもでも大人になっていくに従って、、、。

      子どもは天使、されど大人になるとただの人間、、、ということなんでしょうか。
      (私は大人の紫の上も天使に近いと思っているのですが)

  3. 青玉 のコメント:

    お褒めに与り、何だか面映ゆいです。
    誰でも4、5首ぐらいは続くんですよね。
    これからが正念場、全くの素人ですからわかりやすい事をモットーとしております。
    恐れ多いようなタイトル、青玉・源氏私歌集など如何?お任せです。

    • 清々爺 のコメント:

      わかりやすいのが何よりですよ。
      複雑な物語なので各巻受けとめ方も人によりそれぞれかと思います。
      どうぞ思いのままに存分に詠みあげてください。
      これから物語の進展に合せどんな歌が紡がれていくのか本当に楽しみです。

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