p196 – 200
3.源氏、歌に興をおぼえ、返歌を贈る
〈p159 尼君の病気平癒の加持祈祷などを、〉
①心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕顔の花
白い扇に香をたきしめてその上に歌が書かれている。
「そこはかとなく書きまぎらはしたるもあてはかにゆゑできたれば」
こんな下町でこんな優雅な歌をもらった、中の品は悪くないなって思ったのでしょうね。
②「心あてに」とくれば当然百人一首No.29凡河内躬恒
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花
→大げさで実がない、霜が降りたくらいで菊が見えなくなるはずなかろうと正岡子規がボロクソに言ったことで有名(余談です)
③源氏の命を受けて惟光がすぐ調べに行く→このあたり源氏と惟光の会話が面白い。
④源氏の返歌 寄りてこそそれかとも見めたそかれにほのぼの見つる花の夕顔
女から歌を詠みかけることは異例、源氏にはそれが却って新鮮に感じられたのだろうか。
「夕顔」 → 「夕暮れ」 → 「たそかれ」 → 「Who is he?」
源氏は乳母を見舞ってたから返事が遅れた。「えっ、返事下さったわよ」とはしゃぐ女房たち
⑤松明(たいまつ)のことを単に「まつ」と読む。
頃は7月。さりげなく「蛍よりけに」と古今集を引いている。
以上、六条に渡る前の出来事であります。まめと言おうか、多情家と言おうか。。
心あてに・・・どこかで聞いた?と思ったらやはり百人一首でしたね。
そうですか、子規の評価きついですね。
単純な私には鮮やかな情景が見えるようで悪くないです、素人受けかしら?
予断ついでに先週土曜日のラジオお聴きになりまして?
平家物語、加賀美さんの朗読はもちろんですが五味先生の解説には泣かされました。
芭蕉も引き合いに出されて感激でしたよ。
惟光との会話で感じたのですがさすが乳兄弟、お互いの思惑が手に取るようにわかる所がおもしろいですね。
ありがとうございます。
1.心宛てに折らばや折らむ、、、、
子規の評、「田辺聖子の小倉百人一首」に引用されてます。ご参考に。それにしても「歌よみに与うる書」ってすごい檄文なんですね。
2.このところ「平家」遠ざかってます。連絡ありがとうございます。先週の分聞いてみます。
3.乳兄弟、そうなんでしょうね。夕顔クラスになると惟光にも手の届くくらいの女性なので対抗心みたいなものもあったのでしょうか。