p180 – 185
4.源氏、老女に見咎められ、危ない目をみる
〈p146 近くで眠っていた小君をお起しになると、〉
幕間狂言 中の品の家のあけすけな老女の様子
後で登場する源典侍が典型だが、老女のあけっぴろげな口舌、行動が物語の狂言回しとしてよく使われている。
5.源氏、空蝉、ともに歌に思いを託す
〈p148 小君が車の後ろに乗って、二条の院にお着きになりました。〉
①人違いでコトを為したにもかかわらず、憤懣やるかたない源氏。小君に八つ当たりする(それでいて添い寝させるとはどう言うこっちゃ)。
②源氏→空蝉
空蝉の身をかへてける木のもとになほ人がらのなつかしきかな
人がら=人殻と人柄の掛詞だが、源氏は余程空蝉の身の固さに惹かれたのであろう。それまで接してきた女たちは一度許してしまえば後は楽々だったのかも。
空蝉が好きだという読者(特に女性)多いようです。紫式部は空蝉に自分を投影させた描き方をしているという人もいます。
→ひょっとすると紫式部は道長に一度は許したもののその後は固く拒んだのかも。
③空蝉→(源氏) 源氏に宛てて詠んだが届いていない
空蝉の羽におく露の木がくれてしのぶしのぶにぬるる袖かな
ウオームアップでも書いたが伊勢集の歌とそっくり重複している。
紫式部が拝借してきたのか、伊勢集の増補の時に源氏物語から採られたのか。
空蝉物語の主題はこの一首に集約される(脚注)
空蝉の心のせめぎ合いがよく表現されている。
(空蝉はその後関屋の巻に登場、20年後には二条東院に引き取られ晩年を静かに暮らす)
この老女、恥も外聞もない感じですがとても面白い!!
歳を重ねるとこうなるのかな?気をつけなくっちゃ・・・
そうですか、狂言回しに使われているのですか。
歌舞伎でも幕間の狂言が一番理解できるし面白いですものね。
源氏の逃げ隠れが何だか滑稽ね。
もしも、見つかっていたら物語はどのように展開していったでしょうね。
小君は源氏の愚痴のはけ口みたい、可愛くて憎らしいのでしょうか。
届かない空蝉の幻の歌、女心がせつないですね。
魂はぬけがらのごと薄衣
秘めし憂いに女の誇り
老女・老女房と言っても今の年令ではないでしょうね。多分アラフォーぐらいでしょうかね。
ここで出てくる「民部のおもと」は背丈が高い人と憶えておきましょうか。源氏物語で背丈を表現してる箇所は他にないのでは。
空蝉の和歌、いいですね。「愁いを秘めた誇り高い空蝉」ですか。なるほどね。