p172 – 179
3.源氏、空蝉の寝所に忍び、軒端荻と契る
〈p139 さりげなく渡り廊下の戸口に、〉
①小君が手引きするのだが、小君は何才だろうか。自分のすることを分かっているのか。源氏(今や上司)に強請されたとはいえ人妻の姉に男を導く、、、う~んと思ってしまいます。男色関係にあったからとする説には従いにくい感じです。
②源氏がとぼけて「紀伊守の姉妹もこなたにあるか。我にかいま見せさせよ」と催促するところ、思わず笑ってしまいます。
③空蝉の複雑な心内が語られている。
「心とけたる寝だに寝られずなむ、昼はながめ、夜は寝覚めがちなれば、、」
「ながめ」=性欲が満たされずに性的にぼんやりしているさま(折口信夫)
④空蝉は源氏の来ることを予想してたのであろうか。
「生絹なる単衣をひとつ着てすべり出でにけり」
→ということはそれまではシャネルの5番でもつけて寝ていた?まさかね。
⑤人違いと分かり一瞬たじろぐがすぐ気持ちを切り換えてしまう源氏。軒端荻の心情など殆ど書かれていない。あるのは自分の行動を正当化する源氏の強引な口説き文句だけ。
→それにしても出まかせがうまい。日頃から訓練してたとも思えないですが。
→人違いでも強行してしまう源氏、、、このくだりどうも好きにはなれません。
(花の宴での朧月夜との情交も強引だがちょっと違うような気がします)
まだ幼い小君(10歳前後?)の源氏への気の遣いようは何やらいじらしいですね。
空蝉の複雑微妙な女心は分からなくもないですがここはきっぱりと女の誇りを守ってほしいですね。それでこそ天晴れと言うものです。
内心では年老いた伊予介よりも若くてハンサムな源氏を忘れられなかったのでしょうね。
その複雑な心のせめぎあいや葛藤を紫式部は空蝉を借りてうまく表現していますね。
又、源氏の意のままにならない女性に対する執着心も強烈に書かれているように思います。
もしかして式部自身にもそういう経験があったのかもね。
軒端荻とのこと、人違いと知りながら契る、信じられない行為です。
普通ならプライドが傷つくでしょう、そこを上手く取り繕ってごまかす、ちょっと嫌な奴、
軒端荻、伊予介自慢の娘にしてはちょっと曖昧模糊、無知蒙昧といった印象です。
ありがとうございます。
空蝉は逃げ出す時残された軒端荻のことは考えなかったのですかね。義理とは言え娘じゃないですか。何とかかばってあげるのが普通だと思うのですが。
その後の叙述でも身代わりになった軒端荻のことを空蝉がどう考えたのか、慰めたのか、いいつくろったのか、その辺が書かれてませんね。
何となく中途半端なお話になっている気がします。
そう言われれば誠、ごもっともです。
我が娘なら絶対あり得ない、義理の娘との違いでしょうか?
厳しい言い方をすれば、わが身を守るために娘を犠牲にしたとも・・・
今後、軒端荻は登場しなくてこれきりですか?
軒端荻、実は後にもチョチョッとお義理程度に登場しますが伝聞推定の類で実質的には何もありません。
源氏と契ったと語られる女君(女房クラスは除く)の中で一番そまつにしか扱われていない女君と思います。
でも紅の腰巻にトップレス、色白のグラマラスボデイ。男性の源氏読者には忘れられない場面なのです。