夕霧(24・25・26) 女二の宮、一条邸へ

p184 – 192
24.朱雀院、落葉の宮の出家の望みを諌める
 〈p211 女二の宮は、このまま小野の山荘に籠って〉

 ①朱雀院の諌めの言葉
  出家は拙い、堂々と夕霧と結婚するのも軽々しい。
  →ではどうすればいいの!そもそも朱雀院の甲斐性のなさが原因なのに。

 ②女二の宮はどうするのが一番よかったのか。
  →これは難しい問題ですね。無難なのは結婚などせず未亡人を通す(出家もありかも)。
  →その場合後見は致仕の大臣&息子たちではなかろうか。
  →でも燃えついた夕霧の恋の炎は容易に消せない!面白いところです。

25.夕霧、宮を一条宮に移すための用意をする
 〈p213 夕霧の大将も、「これまでさんざん、〉

 ①夕霧「とかく言ひなしつるも今はあいなし。かの御心にゆるしたまはむことは難げなめり、御息所の心知りなりけりと人には知らせん、いかがはせん、、、」
  →条理を尽したが宮は靡かない。もう力づくで行くしかない。
  →そういう戦略もあるだろうが秀才夕霧だけにちょっと似合わない感じ

 ②一条邸に連れ戻す諸準備 宮のいとこにあたる大和守を巻き込んで
  →このあたりの差配は夕霧の得意とするところ。万事遺漏なくなされたのであろう。

26.大和守に説得され、宮泣き泣き帰京する
 〈p214 当日は、御自分は一条の宮邸にいらっしゃって、〉

 ①行き渋る女二の宮、大和守があれこれ説得する。
  大和守 このほどの宮仕は堪ふるに従ひて仕うまつりぬ。今は、国のこともはべり、まかり下りぬべし
  →面白い。勤務のことがありまして任国へ帰国せねばなりませんので、、。いつの時代も同じ。

 ②どうしても夕霧の待ち受ける一条邸に行く気になれない女二の宮
  御鋏などやうのものはみなとり隠して、人々のまもりきこえければ、
  →そんなこともしていたのだ。こういう具体的記述が生々しい。

 ③大和守も女房たちも誰ひとり女二の宮の気持ちを解してくれる者はいない。荷物もどんどん運び去られる。宮は泣く泣く車に乗る他ない。
  →可哀そう。母が亡くなったのをつくづくと悲しく思ったことだろう。

 ④女二の宮
  恋しさのなぐさめがたき形見にて涙にくもる玉の箱かな
  浦島の子が心地なん  
  →浦島太郎の玉手箱が出てくる。やや唐突だが玉の箱と言えば浦島伝説だったのだろう。

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2 Responses to 夕霧(24・25・26) 女二の宮、一条邸へ

  1. 青玉 のコメント:

    女二の宮の身の処し方、難しいですね。
    出家した所で後見がなく朱雀院からも軽んじられている・・・
    常識的には舅、到仕の大臣に頼るのが一番とは思えますが今となっては無理。

    夕霧、ここは力(経済力)でねじ伏せるより他ないと言った強引さですね。
    既成事実を作ってしまう。
    秀才一直線の夕霧、こうなったら男の意地、面子以外何物でもないでしょうね。
    周囲が見えなくなる、この辺り柏木もそうでしたね。

    女二の宮の心象、自身の容貌の衰えをひどく気にしているようですね。
    柏木にもうとまれていたことから自信喪失になっているのでしょうか?
    本当の女二の宮の姿が見えてきません。
    道具も始末されて尼にもなれない。
    八方ふさがりの宮、一条邸に戻るより仕方ない・・・哀れですね。

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      女二の宮の身の処し方、難しいのでしょうね。父朱雀院は知らん顔(もともと見放している感じ)、母は亡くなり、いとこの大和守もこれ以上は面倒みてくれない(当然であろうが)。

      末摘花も朝顔の姫君も皇族の娘でそれぞれ哀れな面はあったが今の女二の宮が一番可哀そうです。こんな時こそ助けてくれる人がいて欲しい。。。そしてそれが夕霧、、、というところまではいいのですが、その夕霧との間が誤解や行き違いでうまくいかない。

      柏木の遺言もあって「この宮の面倒を見るのは自分しかいない」と思う夕霧と「母を死なせた夕霧の世話だけは受けたくない」と思う女二の宮。世の中ままならぬものです。

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