源氏物語五十四帖にはそれぞれ何とも優美な巻名がつけられています。この巻名は作者がつけたものか後世になって誰かがつけたものかも説が分かれているのですが、素人の私は「そりゃあ紫式部がつけたのさ、だって天才なんだもん」と考えています。
巻名の由来は人物(特に女君)の名前、舞台、出来事などですが、54の巻名を並べてみると実に雅な気持ちになります。特に漢字表記がいいのです。読みにくいけどいかにも王朝文学に相応しそうな巻名。この読み方が分かったときは嬉しくなったものです。
是非順番に並べ読み方を覚えてください。源氏物語が大分分かった気分になれると思います。
私が読みにくかったのは、
紅葉賀=もみじのが、 花宴=はなのえん、 蓬生=よもぎう、 絵合=えあわせ
少女=おとめ、 梅枝=うめがえ、 御法=みのり、 椎本=しいがもと
総角=あげまき、 手習=てならい、 夢浮橋=ゆめのうきはし
この巻名は大多数が物語中の和歌に詠まれています。歌を覚えるのも巻名の入ったものを選べば覚えやすいし、物語の流れを掴むにもちょうどいいと思います。
例えば、、
空蝉の身をかへてける木のもとになほ人がらのなつかしきかな(空蝉)
神垣はしるしの杉もなきものをいかにまがへて折れるさかきぞ(賢木)
入日さす峰にたなびく薄雲はもの思ふ袖に色やまがへる(薄雲)
立ち寄らむ蔭とたのみし椎が本むなしき床になりにけるかな(椎本)
ありと見て手にはとられず見ればまた行く方もしらず消えしかげろふ(蜻蛉)
どうぞ、お楽しみに。
全ての巻名が何とも言えない雅な世界に誘ってくれます。
良くぞつけてくれたという感じです。
この名前を見てるだけでも優雅な気分に浸れます。
絵合なんてぴったしですし好きな場面でした。
庄野潤三に「絵合わせ」と言う小説があります。
好きな作家ですが近年なくなられてもう作品を読むことができなくなりましたが・・・
内容は忘れてしまいました・・・
巻名を詠みこんだ和歌も古来いっぱい作られているようです。
青玉さんには是非これに挑戦してもらいたいです。一気には難しいでしょうが2年間かければできますよ。54帖完成したらきっと記念になりますよ。。