さて車争いです。もう有名な場面なのでコメントは控えめにしました。
p17 – 26
4.新斎院御禊の日、葵の上物見に出る
〈p148 その頃、賀茂の斎院もおやめになられましたので、〉
①斎院・斎宮になるとかなり長期間に及び大変。かと言って神に仕える厳かなお勤めを断るわけにもいかず、選ばれた本人・親は悩んだのではないか。
②新斎院御禊の日 葵祭りのパレード
パレードの道筋 = 一条大路
桟敷席もできて華やかな政治的見世物であったのだろう。都人は勿論遠くから見物人が集まる。
5.葵の上の一行、御息所の車に乱暴する
〈p150 日が高くなってから、お供廻りもあまり目立たないように〉
①六条御息所そっと目立たぬように来ている。
→六条邸から一条大路までは随分遠い。いかなる気持ちで出向いたのだろう。
②出遅れた葵の上。家来たちの振舞で自ずと車争いになる。
③通り過ぎる馬上の源氏の姿。
④御息所 影をのみみたらし川のつれなきに身のうきほどぞいとど知らるる
この歌に御息所の悔しい気持ちが表れている。
この段の御息所の心境を400字で述べよ。
→ いい問題だと思いませんか。
6.見物の人々 源氏の美しさを讃嘆する
〈p154 供奉の人々も、身分相応に、装束や姿形を、〉
①馬上の源氏のまばゆいほどの美しさが語られる。
紅葉賀の青海波や花宴の春鶯囀と同様だが今回は一般人も見ている。
②倒れまろびつつ 面白い表現
パレードを見るそれぞれの階層の人の想い。
一般人にとっては源氏の顔を見れるなんて一生に一度の機会だったのでしょう。どよめきと歓声、観衆の熱気が伝わってきそうです。
(有名スターに憧れる姿は今も変わりありませんね)
③朝顔の姫君も来ていてここで初めて源氏の姿を見る。
清々爺のつぶやき:式部卿宮や朝顔の君は桟敷で見たとあるが六条御息所や葵の上への特別席はなかったのか。源氏も家族席みたいなのを手当てしてやればよかったのに、、、。でもそうすると外れた女君は怒るし、席の良し悪しでも争いになる、、、う~ん難しいかな。
ひと目源氏様にお会いしたいと思い恥を忍んでまいりましたもののやはり私は来るべきではなかったのでございます。
このようなひどい仕打ちを受けるとは夢ゆめ思わず何と愚かなことでございましょう。
この上はきっぱりとおあきらめ申して斎宮に伴って下りましょう。
それにしても何と晴れやかなお姿、目も眩まんばかりでございます。
やはりひと目なりともお会いできてうれしゅうございました。
御息所の複雑な女心(後悔、懊悩、未練)いかばかりだったことでしょう・・・
朝顔の姫君、お心を動かされるもあくまでも冷静ですね。
ありがとうございます。
御息所の心内、お聞きしてなるほどそうかと思いました。
私はこれまで御息所の気持ちは
葵の上に対する 怒り・憎しみ・嫉妬
源氏に対する 落胆・諦め・絶望・嫉妬
などで、それこそ腸が煮えくり返りそうな心境だろうと思っていました。
(葵の上め、一体この私を誰だと思ってるのか、、、絶対許さない!)
自分自身の行動に対する後悔の念・自虐の念などは思い寄りませんでした。コメントをいただいて考えるになるほどなと思い至った次第です。
わざわざ遠い六条の屋敷から忍び姿でこっそりと源氏を見に行って辱めを受けた。
極上の貴婦人と自他ともに許す自分が何でこんなはしたないことをしてしまったのか、、、他人を憎むより自分の愚かさに愛想がつきた。。。。なるほど、こちらの方がより辛いかもしれませんね。