p130 – 142
7.いらだつ源氏、命婦に手引きをうながす
〈p25 いつのまにか秋になり、〉
①手紙を出しても返事が来ない。源氏の思い込みは益々膨らむ。
(「恋は押さば引け引けば押せ」を一人でやっている)
②大輔命婦の苦し紛れの口上が源氏の想像を更に掻き立てる。
③かの御ゆるしなうともたばかれかし
何が何でも手引きしろ、、、いやはやご無体なことを。。
この段ややくどいなあと思います。
8.源氏、常陸宮邸を訪れ、末摘花邸に逢う
〈p28 八月の二十日余りのことでした。〉
①G18年8月 ちょうど夕顔が取り殺されてから1年後のこと
②末摘花邸の様子、大輔命婦の取り持ちの様子
源氏の伝言として末摘花に伝える言葉「みづからことわりも聞こえ知らせむ」→これは露骨ですねぇ。
末摘花の言葉「人にもの聞こえむやうも知らぬを」→これは深窓の姫君らしい言葉だと思います。
③源氏が歌を詠みかける。女房の侍従が代返する。源氏は末摘花からの返歌と思う。その後やりとりをしようとしても反応がない。
何やかやとはかなきことなれど、をかしきさまにも、まめやかにものたまへど、何のかひなし
④源氏は業を煮やして侵入する。大輔命婦は責任回避逃げ出してしまう。
⑤二十日の月は出ていたのだろうが部屋の中は暗闇、「う~ん、何だこれは、ちょっと違うなぁ」ってことでしょうか。
うちうめかれて、夜深う出でたまひぬ
この一言で全てを言い表してますね。
源氏はさぞ頭の中混乱して帰ったのではないでしょうか。
この件も窯変はどう書いてあるのか知りたいですね。
いつもの如く乳母や乳母子に我がまま無理難題の源氏。
命婦も嫌がっているのかどうか?
煽ったり引いたり、結構楽しんでいる感じですよね。
挨拶もまともにできない末摘花かと思っていましたが高貴な女性が直接話すことなんてなかったのですね。
たえず女房、なんらかの介添えがあったわけですね。
源氏ほうほうの体で逃げ出したのでしょうか?
さてこの末摘花をどのように和歌に表現すればいいのか今から悩ましい・・・
深窓のお嬢さま、箱入り娘。昔からそういう概念がありますよね。
巷の汚れに触れさせまいと外出もさせず友だちも制限する。純粋培養。
こういう育て方がいいのか悪いのか議論のあるところでしょうね。
若かりし時、どんな女性がいいか「お嬢さま」か「庶民的女性」かなんて議論やったものです。その時はそりゃあザックバランで物事を弁えてる庶民的な女性がいいさと思ったものですが、最近はあまりにも開けっぴろげで世間ずれしてるような女性が多いので(特にTVで)、「お嬢さま」的要素も大事だなと思い始めてます。
末摘花の事を考えるうちに変なコメントになってしまいました。ごめんなさい。
末摘花の歌難しそうですね。どうぞ閃きと思い切りで詠んでください。
お久しぶりです。ちょっといろいろあって最近「源氏」をサボっておりました。ご用命により書いてみます。ちょっと長くなるよ。
「窯変」ですが、僕が面白いと思ったのは源氏と大輔命婦との関係。源氏とは乳母子で現在、バリバリの宮中のキャリアウーマン、しかも色好みだから、末摘花のことを最初に話したのは寝物語で……と思っていたのですが、窯変によればそうではない。ちょっと長くなりますが引用すると、
宮中で源氏の髪を整えながら 源氏「常陸宮の姫はどんなお方なの?」 命婦「私もよく知らないんですよ。引っ込み思案なかたなんですもの。いつも御簾越しですよ。お目にかかるったって」……「「古風な姫というのも捨てがたいじゃないか」「へーえ。へーえ。そうなんですか?あ、そうなんだ」という調子。
源氏の侵入後の描写もちょっと略して引用しますが、こんな感じ。
体つきが華奢なのは分かる。恥ずかしさに震えているいるのもわかる。何も言わず、ただ堪えているのも分かる。それはよくあることだしありがちなことであるけれども、しかし、この姫はそれだけではない。どことなく後味が悪い。………気味悪ささえ覚えて、私は暗い中、さっさとその場を後にした。
どうでしょう。「窯変」は源氏の独白という形で欠かれていますが、これはこれで結構面白いと思いませんか。
髭白
髭白大将、どこかへ放浪してるのかと心配してました。ありがとうございます。
なるほど、そのように書かれていますか。けっこう素直でオーソドックスな解釈ですね。でも「後味が悪い」「気味悪ささえ覚えて」というのは踏み込んだ解釈になるのでしょうか。
私はてっきり大輔命婦は末摘花のことを知っており、ふざけてか或いは復讐のためかで源氏を手引きしたのではないかと思っているのですが。。